銀狼怪奇ファイル【金と銀】３ (ページ2)

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冴子「私はどうしたらいいのよ！…守るって自分で誓ったのに」

お姉ちゃんはその場に崩れて泣いてしまった

どちらか一人しか救えない、という事実は何となく理解していた

いざ、こんな状況になったらやっぱり泣いてしまう

自分の部屋に帰ってずっと考えた

考えて、考えて、考え抜いて

やっぱり答えは出なくて

今の銀狼が引き下がるとは思えない

お姉ちゃんはこうちゃんを求めている

耕助という人格を求めている

銀狼では無いのだ

私は銀狼を求めている

こうちゃんも好きだ

好きだけどそれは家族として好きなのだ

銀狼がそばにいて欲しい

恋しいと思うようになったのはいつからだろう

部屋の隅でうずくまって考えていると不意に部屋のドアが開いた

『おい、行くぞ』

ふっと顔を上げると銀狼が居た

「どこに？」

銀狼「病院だ、早くしろ」

準備をして銀狼について行った

銀狼「いつからフリーズドライのことに気がついた」

「おじさんのミイラの話を聞いてからかな。コーヒー飲もうと思ってたんだけど、それで思いついたんだ」

銀狼「お前にしちゃ上出来だな」

「憶測だけど、あの病院は閉院してる気がする。人気が無さすぎるよ」

銀狼「あとあの音声だ。やけに冷静で味気ない回答だからな」

寒くて手を擦り合わせてフーっと息を吐いた

「はあ、寒いな」

ポケットに手を入れようとした時銀狼は私の手を取って自分のポケットに入れた

銀狼「こうすれば暖かいだろ。病院に着くまでだからな」

銀狼は恥ずかしいのか前だけを見て答えた

「うん」

私はほわーっと嬉しくなって少しゴツゴツした手に力強さを感じた

病院に着いて手を離して辺りを見て回ると開いているドアを見つけて入った

しばらくすると新聞部の声が聞こえた

インターホンが鳴り遥先輩の声が聞こえた

遥「私達、天神学園高校の者なんですけど」

『どういうご要件でしようか？』

純平「ガタガタ言ってねぇで川上に会わせろ！嫌だって言っても力づくで会いに行くからな」

『息子は誰とも会いません。お引き取りください』

純平「くっそ、人をバカにしやがって」

なんだか騒がしかったが正門が開いていたことですんなり中に入ってきた

先輩達は揃ってしゃがんでそろそろと歩いてきた