【stpr】彦星の裏切り 【赤】

２０話 【公私】 ページ21

るぅとくんからの電話の内容




覚悟していたはずなのに重かった




るぅとくん「電話の相手が女の人っぽかった」




『そっ…か…』




言葉が見つからず『そっか』と『うん』だけが出てくる




おかしいな…泣かないって…




『そっかっ…！』




開き直って…強くなって…




るぅとくん「我慢しなくて良いよ」




見返してやるって…




『うぅ…あぁ…ヒック…うぅ…！』




決めたのにっ！




ーーーーー
どれくらい時間経ったかな？




いい加減やめなきなゃ…




『ごめんねるぅとくん、落ち着いた』




るぅとくん「うん…」




『また変わった事があったら教えてくれる？』




るぅとくん「……分かった」




『ありがとう』




プチッ




女の人の声か…




『フフ…』




あぁ…なんか…









くるいそう…









私、いつまでるぅとくんを巻き込んで、振り回すんだろ？




数秒前の自分をひっぱたきたい




何でまた頼んでだろ…




ごめんなさい…るぅとくん…




ーーーーー
また一週間と少し経ち、8月に入った




クーラーの効く社内で、ひたすら企画書の説明をパソコンに打ち込む




あれから一回だけるぅとくんから連絡が来た




勿論朗報では無い、浮気の疑いは晴れないまま




上司「日織くん」




…？




『はい！』




上司「会議室に来てもらえるかい？」




会議室…？




『はい！すぐに参ります！』




企画書をしっかり保存してから、鞄を肩にかけ会議室に向かう




何か叱られるような事したかな？




もしかして仕事に手をつけられてなかったから…!?




ーーーーー
コンコン…




『日織です』




上司「入りなさい」




何か重め…やっぱり説教？




『失礼致します』と扉を開けると、「そこに座りなさい」と言われる




ソファーの前に立って、座る前に頭を下げる




『すみませんでしたっ！プライベートで色々ありまして…でも仕事には関係ないのに支障をきたしてしまい、すみませんでしたっ！』




怒られる、リ…リ…リストラとか!?




嫌です…この仕事好きなんですっ！




上司「日織くん…」




あぁ…この声のトーンは呆れ…




上司「そのことで呼び出したんじゃないよ」




えっ…？




私が顔を上げると笑顔で「座りなさい」と言われた




『はい…』とソファーに座る




上司「今日日織さんを呼んだのは、日織さんに仕事のオファーを頼もうと思ったからだ」




仕事のオファー？

２１話 【出張】→←１９話 【電話の相手】

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