【stpr】彦星の裏切り 【赤】

３３話 【疑心暗鬼】 ページ34

どこからどこまでがうそなの…?




バサッ…




また布団が擦れる音がした




怒って寝ちゃったのかな…？




私は顔をあげて布団を見た




けどそこには誰もいなかった




ううん見えなかった




莉犬くん「……嘘じゃないよ…」




ギュウ…




目の前は莉犬くんで何も見えなかった




『…ごめんね、変な事言った…』




私は莉犬くんの身体を押して離れる




でも…




ギュッ…！




『…!?』




また引っ張られ抱きしめられてる




莉犬くん「不安にさせちゃったよね…ごめんね…」




頭を撫でながら静かに言う莉犬くん




『…大丈夫…寝よ…？』




私がそう言うと莉犬くんはゆっくり離れて、私をベッドの方に引いた




壁側に横になり布団を被る、隣には莉犬くんがいる




一緒に寝るのも久しぶり、下手したら1年ぶり




莉犬くん「ねぇ…ギューってしても良い…？」




莉犬くんは私の方に身体を向けてるけど、私はずっと天井を見てる




ギューか…




さっきから莉犬くんばっか甘えてる…




甘えられるのは好きだし良いけど、誤魔化されてる感じがする…




私も…嫌な子だな…




『さっきしたじゃん…あんまりギューしてると飽きちゃうよ？』




私ごと…




莉犬くん「飽きないよ…！俺、Aの事ギューするの好きだもん…ギューだけじゃないよ？Aの事が好きで好きで…おかしくなっちゃうくらい好きなんだよ…？」




『…………』




おかしくなっちゃうのは私だよ…




全てに疑心暗鬼になっちゃう…




ねぇ神様…？




彼を信じ通せば…




普通に戻れますか？




『………良いよ…』




私は莉犬くんの方を向いた




莉犬くん「ありがとう…」




ギュー




神様の言葉は…








「………」だった…








ーーーーー
「…て…」




『…………』




「きて…起きて…！」




『う〜ん…』




ゆっくり目を開けると、言葉通り目と鼻の先に莉犬くんの顔があった




『ん……!?』




驚いて手を上げるとベシッと何かに当たった




莉犬くん「あいたっ…！もうお腹に当たった〜」




莉犬くんはそう言いつつも顔は離れない




手は莉犬くんのお腹に当たったんだ…




ん？お腹がそこにあるって事は…？




私は冷静に今の状況を考えた




私は寝る前と同じで天井を向いてる




前には莉犬くんの顔、腰の横にある手を上げたら莉犬くんのお腹に当たった…




私…




『跨がれてる…？』

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