最大の愛を君に【黒川イザナ】 (ページ8)

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八話ページ8

・イザナside

今日俺は人を殴った

施設を出て2回目だった

お母さんに引き取られてすぐの頃、一度だけ人を殴ったことがある

理由はお母さんの事を笑ったから

どれだけ俺の事を罵倒しようが何とも思わないけどそれだけは許せなかった

それは今回も同じだった

優「お前とお前のお母さんって本っ当に似てねぇよな」

イ「別にお前らに関係ないだろ」

2週間前の事もあって俺は優樹を警戒する

優「でもお前、お父さん居ねぇじゃん」

「たしかにー、もしかして何人もお父さんがいるのかなぁ〜？」

優「お前のお母さん美人だし居てもおかしくねぇだろ笑」

ニヤニヤと見下すように笑う目の前のクラスメイトの顔に吐き気がする

イ「お前ら黙れよ」

気づけば俺は優樹の胸ぐらを掴んで殴っていた
殴られると思ってなかったのか優樹は頬に手を当てて驚いたよう俺を見る

イ「俺の事をどう思おうがお前らの勝手だけどなんでお前らにそこまで言われなきゃなんねーんだよ！」

優樹の隣にいた奴の胸ぐらを掴んで一発入れよう腕を引いた

「何をしているんだ！お前ら」

結局先生が入って来て俺たちは生徒指導室に連行された

＿＿＿＿＿＿＿

お母さんが来て俺は生徒指導室を出た
俺を心配するような目に俺は罪悪感が生まれる

また人を殴った

前に殴った時にお母さんと約束したんだ

《イザナは人より力があるんだ。けどその力を人を傷つける事に使って欲しくない、誰かを守る為に使って欲しいんだ》

(守れなくて、、ごめんなさいっ)

＿＿お願いだから捨てないで、＿＿

ドンッッッッ

何かを殴りつけた様な音が聞こえた

『何ペラペラと自分の息子がした事正当化してんだよ。確かにうちの子が手を出したのは悪いが言葉の凶器で心を傷つけた事を無かったことに出来るわけないだろ！』

『小学生だから仕方ない？ふざけんな、それを教えるのが親の役目だろうが！子供達は人との付き合い方を模索してる途中なんだよ！親が、大人が正しく導かないでどうする、』

初めてお母さんの怒声を聞いた
いつもの落ち着いた声とは全く違う怒っているようで悲しそうな声

(本気で怒ってくれてるんだ)

目が熱くなって涙がこぼれた