白い尾とあなたへ

遅刻気味のサンタさん kr ページ25

世間はクリスマスだなんだって騒いでるけど。私はそんな特別な日になぁんにも予定がない。クリスマスは配信があるとか、年越しはまた企画があるとか?彼の事情はあんまり詳しく聞かないようにはしてるけど、まあなんやかんやあるらしい。だから私には予定がない。

『さっむ…』
予定がないからって家でゴロゴロするのもなんとなく嫌で、きりやんと初めてデートした大きな通りを歩いてみる。ちょっとおめかしして。まあ隣には誰もいないんだけど。
ブランドの店、綺麗なレストラン、キラキラしたイルミネーション。全てが眩しくて、あぁ私は、思ったより寂しがっているんだな、なんて。
『ええわかってますよ?毎年恒例の配信は大事だし、なんなら私配信見ながらお散歩してましたし?…配信終わったなら連絡くらいしてよ』
なんて画面に向かってボソボソとつぶやく。あーあ、めんどくさい彼女!私。
近くにたまたまあったレンガの柱に寄りかかってみる。あれ?ここで待ち合わせしたことあったよね?私無意識の領域で思い出の道を…大好きすぎでしょ。心の中で色々喋りながら、イヤフォンを耳からとって、虚しさに潰される前に帰路につこうとした時。空いていた左手にそっと何かが触れた。後ろからふわっと現れて、自然と恋人繋ぎをしてきたのは


続きます

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