白い尾とあなたへ

借り物競走、借りれない 番外編 kntk ページ19

番外編
kntk視点
片思い
それでもよろしければどうぞ

kr「え〜ぶっちゃけ走るの得意じゃないからキツイんだけど」

俺は知ってる。Aときりやんは付き合っている。2人は隠してるつもりみたいだけど、そんな楽しそうな顔をして、両思いなのは明白だし。付き合ってるってわかったのは、、確かスマイルが不貞腐れながら「俺だけか？あいつらが付き合ってるの知らなかったの。手繋いで歩いてたんだけどこの前。」って言ってきたからだったか。俺もしゃけもnakamuもぶるーくも、「は！？」って声を揃えて驚いた。本人たちが隠したいなら知らないふりをしようってことになって、みんなでまだ知らないフリをしている。


kn「じゃあね〜。」

集合場所に着く。きりやんより先に出場する俺は、ルールを確認しながら、お題の予想をする。まあベタなのは好きな人〜とかだろうけど、現実で入ってるか？ないだろ。でももし、もし引いてしまったらおれは、、、

kn「行ってくる」
kr「頑張れ〜」

ピストルが鳴る。走り出す。わかってる。俺はAが好きだ。
だけどそれが実らないこともわかっている。あの日、スマイルからあいつら付き合ってるって言われて、雷に打たれたかのような感覚になったのは一生忘れないだろう。
幸いなことに、ポーカーフェイスは得意な方だ。多分誰にもバレてないんじゃないかな。

お題を引く。紙を開く。そこには、【好きな人】と書かれていた。まっっじかよ。入ってんのかよ。ポーカーフェイス得意、とか思ってすぐに、崩れた気がする。俺、当たってみてもいい？砕けるだけだけど。ちらっときりやんの方を見る。心配そうな顔をしたあいつ。あー、もう。お前いい奴だからさ。Aって見る目あるよな、ほんと。

乱雑に紙を箱に戻す。もう一度別の紙を引く。お題は、【青いもの】
なんだこの、お題の緩急は。青いものって、俺のクラスはちまき青だけどこのまま走ればいんじゃね？、、、いや、少しは青春してもいいよな。
クラスの応援席に向かって走る。

kn「A！！！！メガホン貸して〜！！」
『え！？おっけ！！』
kn「ありがとう！」

Aの頭をくしゃっと撫でる。位置的にきりやんには見えないだろうけど、少しの意地悪。このくらい許して欲しい。
さぁ、あとはもう切り替えて。一位取って褒められて終わろう。

あと少し続きます

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