白い尾とあなたへ

低気圧 shk ページ14

付き合ってない。幼馴染みっぽい 「」お相手 『』あなた

頭、痛い。これ、やばいんじゃない？授業中、じわじわと襲ってくる頭痛に耐えながら窓の外を見る。これ低気圧だ。どす黒くて分厚い雲が近づいてくるのが見える。雨がふるんだろうな。傘持ってないな。それ以上に低気圧頭痛があまりにもしんどい。
静まり返った教室で、教師だけがずっと喋り続けている。ここで頭痛いなんて言い出せない。時計を見ると、授業終了まであと5分。いや、この授業終わってもまだ2限だから帰れるわけでもないんだけどね、、。とりあえずこの授業は頑張って乗り切ろう。

チャイムが鳴る。授業終了の挨拶をして、すぐに椅子に座り机に伏せる。あー、どうしよ。しんどいかも
「ん。」
『冷たっ。なに、、誰、シャークん？』
「水。あとこれ。市販薬だからお前も飲める。」
『鎮痛剤、、え、わかる？顔に出てた？』
「顔青いし、低気圧ダメなの前から知ってるし。」
市販の鎮痛剤とペットボトルの冷えた水を持ってきてくれた。水がこんなに冷えてるってことは、授業が終わってすぐに買いに行ってくれたんだろう。
『ごめん、お金かえ、』
「いらねぇ。」
机に腰掛けてこちらに背を向けるシャークん。顔が見えないから怒っているように感じるけど、多分ただ不器用なだけ。だと思う。無言でペットボトルの蓋を緩めてくれる。やっぱり多分怒ってない。もらった薬をありがたく飲む。
『ありがと。ちょっと寝る。』
「おう。」
休み時間はあと6分。もう一度机に突っ伏す。即効性があるのか、さっきよりは良くなってきた。目を閉じて深呼吸をすると、突然頭をガシガシと撫でられる。
「無理はすんな。」
フワッと風を感じ、彼が移動して行ったのがわかる。
いやぁ、ほんとそういうところ。惚れちゃったらどうするの。ズキズキする感覚が、胸に移動する。もう惚れちゃったみたいじゃんか。やめてよ。期待しちゃうじゃんか。
休み時間どころか、今日は寝れなそうな気がしてる。

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