γ Chamaeleontis (ページ35)

今日:22 hit、昨日:4 hit、合計:147,569 hit

35 ページ35

・

火曜日。

制服を着た慎太郎はまた朝から病室に来た。

ん～ほんと、珍しいからどうしたらいいかなってなる。

でも、慎太郎は昨日と同じようにベッド脇の丸いパイプ椅子に座って、

スマホいじったり、

どうでもいい話をしてくれたり

それでも、大好きなはずの学校の話は一切してくれなかった。

そして、夕方。ガヤガヤとした足音がして

「悠～？来たよー！」

樹を先頭に幼なじみたちがやってきた

「あれぇ～？AHAHA!!慎太郎くんはおサボりですか～？Hehe」

慎太郎がいるのを見つけると、ジェシーがすぐさま絡みに行く

「ごめんっ、」

「AHAHA！！俺が寂しいから早くきてよ！！！」

ジェシーの変わらない態度に
慎太郎もホッとしたような顔つきになってて、

みんなも心なしか安心したような顔をしてた

…よかった。ここに蟠りがあるわけでは無さそう

じゃあ、慎太郎はなんで学校に行きたがらないんだろう…？

『ゲホッ、ｹﾎｯｹﾎｯ、ケホッ』

「悠！？、」

考えてたら突然落ち着いてた咳が激しくなる

たいががすかさず背中をさすってくれるけど、

『ｹﾎｯ、ｹﾎｯｹﾎｯ、』

なかなか止まってくれない

浅くなる呼吸

あ、また意識飛ばすかも…

そんな時

「ちょっとどいて」

心地いい低い声が聞こえ、

ぎゅっと抱きしめられる

あ、まって。

懐かしい心地、

肩に顔を埋めて、咳を吐き出す

そうすれば優しく背中をトントン叩かれて、
咳を促してくれる

『ｹﾎｯ、ｹﾎｯ、、ｯ』

「大丈夫、大丈夫…。」

背中を叩く手とは反対の手が頭を撫でてくれて、

咳で頭痛が酷くなってることもお見通しみたい

久しぶりの匂いも、感覚も

やっぱり全部全部大好きで

浅くなってた呼吸は、いつの間にか元通りになっていた

「もう、大丈夫？」

『ん、、ｹﾎｯ、ありがとう

ほくと』

「ん、」

前よりお互い気まずいのが、悲しい

・