γ Chamaeleontis (ページ11)

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Tanaka side

治療が始まってちょうど1週間。

きょもと2人で病院へ足を運んだ

病室に入れば、当たり前となってしまった光景

ベッドの端に座った北斗に悠が抱っこされてる姿

悠が背中に回した手で北斗の服をギューッと掴んでるから、

北斗の服は既に背中側にシワが入ってるように見える

抱きしめてる北斗の顔も、やつれて、クマが酷いことになっている

まるで悠が苦しんでるのに比例するように。

「…北斗」

小さな声で声をかければ首だけで振り返る北斗

「あ、樹。京本。」

「悠大丈夫？って…大丈夫じゃねぇよな」

「見ての通りね、」

北斗の肩口に顔を埋めてくぐもった咳を繰り返すAはたぶん俺たちが来たことに気づいてない

「悠、樹と京本が来たよ…？」

『ｹﾎｯ、…じゅり、ｹﾎｯｹﾎｯ、ｯたいが…？』

「そうそう、悠のお見舞い来てくれたよ」

肩口からそっと顔を上げた悠の瞳が俺たちをとらえた

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のは一瞬で、そのあとすぐ焦点が合わなくなった

すぐに元の体制に戻った悠に
北斗が困ったように笑った

「めまい…だよな？」

『…ｹﾎｯ、ぐるぐる、する』

くぐもった悠の小さな声

「樹、悠の手首」

「…そうだな」

きょもに小声で言われた。
悠の手首は赤く、ところどころ内出血を起こしてるのか青紫になってて

これが、話に聞いてた…拘束のやつね

パニックを起こしたらしいって、

誰もいない時は拘束具で暴れないようにするんだって

そう北斗から連絡があった時、
血の気が引いたような感じがした。

でも、拘束されるようになってからの悠のメンタルも、北斗のメンタルも

ボロボロになっていってるのは、

今目の前の光景が物語っていた

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