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綺麗な花が、萎んでいく――
赤く腫れた今井の顔と対になるように、血の気の抜けたような青白い顔をした佐倉の大きな瞳は影を映し、己の心情そのままにゆらゆら揺れていた
(蛍のケガ……ウチのせいや――……)
だーっと涙を流しながら己を責める佐倉を上から見ながら、Aは詰まっていた息を吐いた
周りが見えなくなるタチだと言うことは分かっていたが、これ程とは、とため息をつく。"容姿"以外は、本当に似ていない
「おい」
性にあわない言動に、自分自身で恥ずかしいのか。ほんのりと頬を赤く染めた乃木が、佐倉に言う
「落ち込んでる暇 あんのかよ」
「ルカぴょん……」
「勝つんだろ? ゲーム」
高級な人形のような容姿と反して砕けた−−−まるで日向のような口調で話す彼は、ぶっきらぼうにも彼女を慰める
「大丈夫だよ蜜柑ちゃん。残り僕ら3人でもあきらめないで頑張ろう」
「いいんちょー」
優しい、落ち着く飛田の声
2人の優しさに、ほわっと心が温まるのを、佐倉は感じた
途端佐倉はふるふるっと頭を振り、「うっし!!」と気合を入れるように拳をあげる
「がんばりまっす! ありがとう2人共っ」
すっかり立ち直った佐倉に呆れ半分
それでも、それがなにより彼女らしいところだと、わかっている人がいる
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「どこいたの? A」
「……別に」
「そう、まあいいわ」
恒例のようにAを夕食に誘う今井。何かと理由をつけて断るAだったが、背後に隠すように持っている吹き矢には当たりたくないと思い、更には、後ろであーだこーだと喚く佐倉を煩わしく感じて渋々といった様子でシャーペンを置いたのだった
――結局、いつまでたっても試合の勝負はつかなかった(ひとまず引き分けとした)
みんな楽しそうにしていた。またやろうと話していた。興奮したように腕を振りながらAに話す佐倉に一切の合図地を打つことなく、食堂へ向かう
因みにあの後、Aは、エンドレス3対3で疲れきり終了した後もそのまま座って談笑していた彼らの後ろを素早く通り、要領良く
(………そもそも、ルールは知ってるけど"やったことない"し)
無駄な時間を過ごしてしまった、とAは嘆いた
ただ1つ。今井に何かすれば何十倍にもして返ってくるという教訓を得たのだった
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ミア(プロフ) - 水乃 夜空さん» コメントありがとうございます! わーい同じ人いた!嬉しい!私も家にいすぎて日頃親から色々言われるので、今の状況すごく楽です() (2020年4月20日 23時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
水乃 夜空(プロフ) - それなです!wインドア派は、出なくてもストレスたまんないでw逆に外でろって言われなくて、ある意味楽(((( (2020年4月20日 1時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
稀紗(プロフ) - 最初は綾瀬ちゃん着いてかないんだ、綾瀬ちゃんらしいなって思ってたんですけど、最終的にテレポートして、助けに行ってあげるとかカッコよすぎです!綾瀬ちゃんの謎が気になる...w (2020年4月16日 2時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 稀紗さん» コメントありがとうございます!!誘拐事件の内容はずっと前から温めていたものだったので楽しみながら書いてます^^ かっこいいと思ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります!!! (2020年4月16日 2時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
稀紗(プロフ) - 初コメ失礼します!綾瀬ちゃん、カッコよすぎです!更新楽しみに待ってます! (2020年4月16日 1時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミア | 作成日時:2019年5月28日 0時