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バッカみたい。
「なんでそんな嘘つくの?皆を助けるため?だから自分が犠牲になるって?」
両手をポケットに入れ、呆れたような目付きで茅野に言う彼女は、腹をくの字にして笑った
いつもの明るい笑い声ではなく、自嘲気味た、何処か暗いく、悲しい
「っ、はははっ______笑わせんなよ」
刹那にして消えた笑
「"宇佐美"さん……」と茅野の口から掠れた声が漏れた
「あたしだよ」
だんっ、と柊の正面側にある机に両手をつく
「あたしがやり逃げXでーす
パスワードはkaho11815」
つらつらの述べられたパスワードを、柊は片手でスマホに打ち込む
その様子を、生徒達は息をとめながら見つめた
「ピンポーン!」
そう言いながら向けられたスマホには、マイボイスの画面が表示されていた
「アクセス成功だ」
アクセス成功───それ以上と言える証拠があるのだろうか。自ら名乗ったことに加えて、パスワードも当たっている。もう撤回することもできないのは、宇佐美自身も分かっていた
まず、撤回する気もないだろう
自分で自分を崖の下に落としておきながらも、柊に対して敵意むき出しのその瞳は変わらない
スマホの内側のポケットに入れた柊は、空いた両手を叩き合わせ、固まる生徒達に拍手を送った
「よかったなぁ。今日、君達の中から死人は、出ない!!」
「やっぱりアンタだったんだ」
諏訪が言う
「嘘でしょ…?」
「そんなわけないよ…」
信じられないと、首を横に振る2人
「………たく、アンタがでしゃばった真似しなければ皆に死ぬまで気づかれなかったのに!」
「どうして…」
「どうして……?アンタのせいでしょ?
澪奈の友達はあたしだけだった……なのにアンタが!!」
・
いつものように彼女に駆け寄って、いつものように笑って
「澪奈っ!!一緒に帰ろっ」
「先約あるから」
思わぬ応えに口から変な声が出たことも
"親友"のはずの彼女が、あたしじゃないアイツの腕を組んで一緒に歩いていく光景も
何が違うの?
どうしてあたしじゃないの?
あたしの何がダメだったの?
───あの瞬間、あたしの中で何かが崩れた
・
「__よりによってなんで奴 隷呼ばわりされてるアンタなの!?完全にあたしへの当てつけじゃん!!
プライドずたずたにされて……言いようのない怒りが湧いて………許せなかった」
だから、
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ミア(プロフ) - あんず飴さん» うわああめちゃくちゃ返信遅くなってしまったほんっっっとに申し訳ないです!!!コメントありがとうございます!!!! (2019年8月31日 20時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
あんず飴 - 柊先生落ちがいいです!! (2019年4月21日 18時) (レス) id: e9a1259486 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - イツカさん» コメントありがとうございます!何気に柊先生リクエストは初めでです笑更新頑張ります!! (2019年3月10日 16時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
イツカ(プロフ) - 柊先生がいいです!更新頑張ってください! (2019年3月10日 16時) (レス) id: b93db8aef6 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 美桜さん» コメントありがとうございます!真壁くんイケメンですよねまじ惚れます笑 (2019年3月9日 21時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミア | 作成日時:2019年1月7日 0時