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「最近思うんだよね……私達教師って、生徒に何をしてあげられるんだろう」










「……眠いのか?」

「………ん」


組んだ両腕に顔を乗せて、うつらうつらとしていたAに、声がかかった

ゆっくりと、その声の主を見上げる



「……………おはよ、里見くん」



「……相当寝ぼけてるな」


Aの机に肘をつき、その手に顔を乗せて、小さく笑った里見

いつもよりゆったりとした口調の彼女は、相当レアだ



「寝れたの、何時?」

「……多分、6時半とか」

「えっ、全然寝れてないじゃん」



どっかでタイミング見つけて寝るよ。そう付け足したAは、小さく欠伸をした

そして、机の隅に置かれた牛乳を取って、ストローを刺す



(…牛乳飲むの、結構久しぶりかも)



懐かしい味が喉を通っていくのを感じながら、こっちのパンはどうしようかと考えていた

その時だった







「あんたのせいでっ!」



茅野に手を振り上げた水越を、後ろにいた真壁達が止める





「あんたのせいで蓮は死んだのっ!!」





今にも茅野のことを殺しそうな勢いで叫ぶ彼女


うわぁ、と眉を顰めながら前を見る里見の袖を、つんつんと引っ張った



「……里見くん、パンいる?」

「あーー、俺、朝は和食派だから」



そう言った里見の机には、確かに未開封のパンが置かれていた



「蒼井は、食べないでいいの?」

「……ん。あんま食欲、無くって」


空になった牛乳を平たくするA

ぼーっとしていて危なっかしいな。そう思いながら、里見は控えめに口を開いた




「実は、ちょっと考えてることがあってさ…」




ん?とAは首を傾げる

しかし、最初は聞き取れていた里見の声も、段々と遠くなってくる



(もしずっと朝ご飯パンだったら、朝はずっと食べれないってことだよね……)



ふとそんなことを思ったA

A自身は、時々パン、時々お米というわけであって、特にこだわりは持っていなかったからいいものの、里見のような生徒は困るだろう








「……先生に、和食にしてください。って言ってみたら……?」




気がつけば、そんなことを口にしていた

あ。と気づいて里見の顔を見れば、何処かスッキリしたような顔をしていた




「それいいな!サンキュ蒼井!!」



ガタッと勢い良く立ち上がった里見は、真壁の元に行き、2人で廊下に出る


頭にはてなを浮かべたAは、まあいいか。と、また組んだ腕に顔を埋めた

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ミア(プロフ) - あんず飴さん» うわああめちゃくちゃ返信遅くなってしまったほんっっっとに申し訳ないです!!!コメントありがとうございます!!!! (2019年8月31日 20時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
あんず飴 - 柊先生落ちがいいです!! (2019年4月21日 18時) (レス) id: e9a1259486 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - イツカさん» コメントありがとうございます!何気に柊先生リクエストは初めでです笑更新頑張ります!! (2019年3月10日 16時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
イツカ(プロフ) - 柊先生がいいです!更新頑張ってください! (2019年3月10日 16時) (レス) id: b93db8aef6 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 美桜さん» コメントありがとうございます!真壁くんイケメンですよねまじ惚れます笑 (2019年3月9日 21時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミア | 作成日時:2019年1月7日 0時

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