・ ページ14
・
背中を向けていた今井も思わず振り返り、黒猫少年が片眉を上げ、興味を示す
「は、はあ！？」
顔を赤くする正田。少女は、鋭い瞳で目の前の相手を睨む
「あなたの話、自分には"アリスしかない"って自負してるだけじゃない……あれ、ちがう？ だったらなにかアリス以外に"特別"なこと、言ってみてよ」
挑発てきに口角を上げた少女
冷めた目付きが、鋭く矢のように射抜く
「……あんたたちが守られてるのはアリスじゃない天才たちのおかげ。私たち一般庶民が寄生虫か働きアリなら、あんたたちアリスは精々人間の食べ物に集るようなハエで充分」
「んなっ」
青ざめていく周り。変わって少しずつ明るくなっていく佐倉の顔色
少女は、煽るようにその整った顔を少し傾げる
「逆に可哀想。努力もしないで天才と言われ続けた人の末路知ってる？」
「わっ、私たちはエリートよ！」
やっと絞り出した見苦しい反論。少女はフッと鼻で笑った
「エリートなんて世の中たくさんいる。"ただ"の天才なんて結局凡人。寧ろ頭の中すっからかん。――そう思うでしょ？」
肩越しに佐倉を見る少女
佐倉は、立ち上がる
少女は、出番を終えたように横にずれる
まだ俯いたままだが、佐倉は、はっきりと言った
「そうや、その通りや。ウチは、アリスがそうでない人より上やなんてウチは思わへん……あんたらが人より上なモンがあるとしたらなあ」
前を向くと同時に、今まで見せたことないくらい怒った形相を見せ
「その腐った根性じゃボケっ ついでにそのすっからかんでわっるい頭もどっかで取り替えてこいバーーッカ」
「てめぇ……言わせておけば」
本気で怒り出す生徒の1人。それでも止まらない佐倉の口
「バーカバカバカ。
「こいつっ」
「ぎゃっ」
ぐっと縛ってある髪を引っ張り、馬乗りになった状態になる。負けずと佐倉も攻撃し、殴り合いになる。正田は窓から放り投げようと叫ぶ
現実的に考えて、まだ幼いといえど男と女の差は大きい。佐倉の顔にもう少しで拳が当たるという時
――バキッ
痛々しい音。しかしそれは、佐倉を殴ろうときた者が殴られた音。後に突き飛ばされた佐倉は、目の前の人物を見上げ目に涙を浮かべた
「このバカ流していいのはあたしだけだから、勝手に手出ししないで」
＿いつだって頼もしい親友の背中
いつだって変わらない、ウチらの友情＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミア(プロフ) - 酢昆布さん» ありがとうございます！！頑張ります！！！ (2019年5月24日 21時) (
レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
酢昆布(プロフ) - 修正していただきありがとうございます。この作品とても面白いです。更新楽しみにしています (2019年5月24日 20時) (レス) id: 7f4c32f147 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 酢昆布さん» 報告ありがとうございます！！こちらのミスです、、すぐに修正します！！！ (2019年5月22日 0時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
酢昆布 - 主人公の名前が変換されないのですが、わざとなのでしょうか？ (2019年5月21日 20時) (レス) id: 35099b1430 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - ティーさん» ありがとうございます！！！！すごく嬉しいです頑張ります！！！！ (2019年3月6日 14時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミア | 作成日時：2017年2月18日 17時
