お隣さん ページ1
私と貴方が出会ったのは、本当に普通だった。
私が越してきた先は新築アパートで、挨拶に回っていたとき、彼に出会った。
男性なのに声は少し高めで、女性受けの良い笑顔に、私は一目惚れをしてしまった。
しかし、勿論それ以降関わったことはなくて。
彼は私のお隣さんで、私は彼のお隣さん、それだけ。
でも、ある日の夜は違った。
朝から体調の悪かった私は、マスクをつけそのまま仕事に行ったが、終わる頃には悪化していた。
仕事場の人たちに迷惑をかけることもできず、そのまま普通を装い家に帰宅した。
あと少し、玄関の鍵を開けたから、あとは入るだけだった。
けれど体調不良は最高潮にまで上り詰めていて、これはインフルエンザかも…なんて思いながら私はその場で蹲ってしまった。
少しだけ、少しだけ、そう思って目を瞑ると、隣の玄関の扉が開いた音がして、あぁ、今日は最悪な日だ。
そう思ったとき、慌てた声が聞こえた。
「Aさん、大丈夫!?」
聞こえてきた声は相変わらずのハイトーンボイスで、私は少しだけ癒やされた。
顔を上げて頷きたくても、それすらままならない。
「おついちさん…すみませ、もしかしたらインフルエンザかもしれないので近寄らない方が…」
彼とこんなに話すのは初めてかも、なんて、何故か私は呑気にそんなことを考えていた。
…今思うと、私と彼の関係はこの日から少しずつ変わっていったのかもしれない。
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Sky(プロフ) - 華ヶ崎レオさん» ありがとうございます…!読んでくださり本当に感謝です!もしまた機会があればどこかでお会いしましょう! (2017年11月30日 23時) (レス) id: 8a4500494c (このIDを非表示/違反報告)
華ヶ崎レオ(プロフ) - 完結おめでとうございます。毎日更新を楽しみにしてました!これからも頑張ってください! (2017年11月30日 22時) (レス) id: a8b7c32919 (このIDを非表示/違反報告)
Sky(プロフ) - Chromeさん» わああ私には勿体無いお言葉です…!こちらこそ読んでいただいて本当にありがとうございます!一日一話更新で申し訳ないですがこれからも楽しんでいただけると嬉しいです! (2017年11月26日 21時) (レス) id: 8a4500494c (このIDを非表示/違反報告)
Chrome(プロフ) - アッ、すいません私のコメントの敬語が途中おかしくなってますが気にしないでください!笑 (2017年11月26日 18時) (レス) id: 348c3c48e5 (このIDを非表示/違反報告)
Chrome(プロフ) - はじめまして!ココ最近、本作の更新を1日の楽しみにさせていただいてまして、とても楽しく読ませていただいてます!素敵な小説ありがとうございます(∩´∀`∩) (2017年11月26日 18時) (レス) id: 348c3c48e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sky | 作成日時:2017年10月29日 18時