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*7* ページ8

「ちょっと魔法が使えるくらいで、良い気にならないでよね!」

「私たちに近づかないで!」

相変わらずの今日だった。
何も変わらなかった…変えることができなかった。
でも、もうそんなことはどうでもいいと思ってしまう私は何処か欠けているのだろうか?

「くだらない」

私は貴方達が何の努力もしないのに対して少し多く魔法の知識を取り入れているだけなのに。
よくわからない心境に苛立ち、私はまた授業をサボった。
先生の目の前で教室を出てきたからまた教師が慌てることはないだろうと、勝手に自己解決することにした。
でも今日は、やりたいことがあった。
図書館へ行き、私はある本を見つけるため探した。

「森…謎…」

指で本をなぞりながらキーワードに当てはまるものを片っ端から取っていく。
取り敢えず該当する本を揃えると、目の前には分厚い本が三冊。
今日の授業はこれだ!と勝手に決めつけ、本の一冊を手に取り読み始めた。
何がしたいのかというと、私は学校の裏にある森を自分で行き来できるようになる為に、あの森の謎を解こうとした。
弟者さんの言葉を思い出しながら。

「複雑に見えて簡単…それをちゃんと理解すること」


…本を読み始めてから数時間が経った。
気がつけば三冊目の後半のページまで読んだが、中々載っていない。
ハズレなのかなと内心思いながらも、読む手を止めることはなかった。

「…?」

私はある文に目が止まり、そこをしっかりと読み直した。

「"己持つ心に草木は動く、自らの決意見失うことなかれ"…?」

草木は動く…ということはあの森のことであって…。
己持つ心…自らの決意見失う…。
そこで私は気がついた。
あの日、私の心は沈んでいた…その気持ちに森は答えてしまい、私の存在(気持ち)を隠そうとした…?

「ということは、"悩みを持ったまま知らない所には行くな"ってことだ…!」

弟者さんの言っていたことはそういうことだったんだ!
森の仕組みを理解した途端、私は勢い良く椅子から立ち上がり、もう太陽が西に沈もうとしているのにも関わらず走って向かった。

これでまた弟者さんに会える!
その一心で、私は高ぶる気持ちを感じながら、森の中へ入っていった。

*8*→←*6*



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作者名:Sky | 作成日時:2017年9月9日 19時

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