ある日迷いこんだ森の中で (ページ21)

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「リアム珍しく興奮してるねー」

「僕たちも行きますよ」

そう言うとアザゼルの二人は私に視線を向けた。

「君がAだねー、悪いけどボクたちと同行してもらうよっ」

次の瞬間二人はこちらに攻めてきた。
その時、弟者さんが私に顔を向け、優しく微笑んだ。

「大丈夫」

彼はそう言い、目を閉じた。
すると弟者さんから光が出て、私は眩しくて瞼を閉じた。
光がなくなりゆっくりと目を開けると、彼はドラゴンになっていた。

「やっぱかっこいいなー」

ドンピシャさんが息を漏らしながらそう言った。
確かにドラゴンの姿の弟者さんはかっこいい、でもやっぱり…。
そう思っていたとき、二つの組がぶつかり合い、その衝撃の風が私たちを襲った。

「うおおお!!」

「加減があるでしょおお!!」

ぺちゃんこさんと鉄塔さんが叫びながらも、しっかりと三人称さんは私の前に出てくれていた。
流石は騎士様…と私は感嘆を漏らした。
その時、視界の隅にひとつの攻撃魔法を捉えた私は、守備魔法を唱えた。
私たちの周りに防壁ができ、攻撃を防ぐ。

「油断できないですね…」

私はそう言い空を見上げた。
おついち先生とリアムはレベルの違う戦いを繰り広げ、弟者さんの攻撃に二人のアザゼルは手間取っているようだ。
すると、弟者さんが相手にしていたアザゼルの一人が、いきなり攻撃するターゲットを変え、私たちの方に凄まじい勢いで雷撃が飛ばしてきた。

「俺に任せろ!」

そう言った標準さんが一つ前に出て雷撃に向かい剣を突いた。
攻撃を受け流すように一回回転するとそれを返すかのように振り上げた。

「キャッチアンドリリース!!」

ふざけた口調で言いながらもアザゼルに雷撃を返した。

「う、わ!」

少し焦ったような笑みを浮かべながらアザゼルは避けた。

「あー外した!」

「ドンマイ標準さん」

余裕のある三人称の皆を見て、私は一人で素直に凄いと感心していた。

「うわー、騎士って侮れないな、ね、ルア…」

「ルイ、危ない!」

ルイと呼ばれたアザゼルはハッとし振り向くと、弟者さんが炎を吐き出した。
それは見事に的中した。

「ぐ、はッ…!」

ルイは吹き飛ばされ、そのまま地面に叩き落とされた。
かなりのダメージを喰らったようで、正直戦える様子ではなかった。

「余所見とは余裕だな」

威圧を放っている弟者さんは、翼をはためかせながら、アザゼルを睨んでいた。

「よくもルイを…!」

アザゼルの一人は、青筋を立てながら彼を睨んでいた。