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「…で、作戦はどうするの?」
ぺちゃんこさんは冷静に言う。
弟者さんは顎に手を添え考え込む。
「目的はAを連れ去ること…相手は三人、俺が相手にすれば倒せるはず」
「…でも、僕達が知ってる奴がいるじゃない」
「あぁ…リアム、だったよな」
弟者さんが名前を口にすると、二人の表情は深刻になる。
アザゼルのあの一人は、15年前の襲撃…兄者さんとも関係があるのだろうか。
「多分他の二人は強い方ではあるけど、まだ完璧とは言えないはず」
だから、そう言っておついち先生は決心をした眼で私たちを見た。
「弟者くんはその二人を相手して、僕はリアムを引きつけるから」
その発言に、その場の全員が驚いた表情になる。
「おついちさん、何で…!」
「弟者くん、お願い…僕だってずっと気にしてたんだ」
先生は俯いて、何かを思い出すように、胸の前に拳を握り目を強く瞑った。
まるで、自分自身に怒りがあるように。
「兄者を守れなかったこと、ずっと後悔してた…悔しかったのは、君だけじゃないんだよ」
だからお願い、そう言い真っ直ぐな眼で弟者さんを見つめた。
彼は数秒おついち先生の目を見つめたあと、ゆっくりと頷いた。
「わかった」
「…ありがとう」
二人は少し微笑み、すぐに元の表情に戻り、今度は三人称の人達を見回した。
「四人はAを守って欲しい、相手の力量はわからないから」
まぁ、そう簡単に通す気もないけど。そう言ってニヤリと不敵に笑うおついち先生と弟者さんを見た三人称の人達は、苦笑しながらも頷いた。
「うん、しっかり守るよ、伊達に騎士やってるわけじゃないからね」
そう言う彼らも、自信の有り気な笑顔で二人を見た。
その時、空から攻撃魔法が飛んできた。
おついち先生は気がついていたかのように杖を一振りし、守備魔法を発動させた。
攻撃魔法は次々と拡散する。
攻撃が止みゆっくりと空から降りてきたのは、先程学校襲ったアザゼル三人だった。
「まったくもう、手間かけさせないでよねー」
そう言うアザゼルの中に彼…リアムもいた。
「久しいな、翡翠の魔導師…それと」
アザゼルは、冷たい瞳でこちらを見下していた。
「ほーんと、未だに魔道士狩りしてるなんて、やらしい連中だね」
「ふん、皮肉なことをいつまで言えるか楽しみだ」
その瞬間、まるでテレポートしているかのようにアザゼル…リアムは一気に距離を詰めた。
おついち先生は地を蹴り相手と同じ速さで彼に向かっていった。
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作者名：Sky | 作成日時：2017年9月9日 19時
