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「君がAちゃん?」
「はい、えっと…あなた方は…」
私が尋ねると、彼らは兜を片手に持ち直し、こちらに顔をしっかりと向けた。
「挨拶がまだだったね、俺達"三人称"って
ちなみに俺はドンピシャです。そう言う彼は、男性なのに可愛らしさを備えた笑顔で自己紹介をしてくれた。
「おついちさんが珍しく凄い血相で俺らの所に来たからビビったよー…あ、えーと俺はぺちゃんこだよ」
私と目が合うと少しぎこちなく話す男性はぺちゃんこさんと言うらしい。すると隣からまた別の騎士がひょこりと顔を出す。
「ごめんねー、ぺーさんはちょっと人見知りな部分があるから、僕は鉄塔、よろしくねAちゃん」
愛想良く話す黒い眼鏡をかけた人は鉄塔さんと言う名前だそうだ。
最後の一人は顔が少し見えづらく、よくわからないけど、対照的に明るい声で話す人だった。
「俺も一応三人称に入ってる標準だよ、よろしくね」
「ちょっとヒョロく見えるけど、実力は確かな人達だから」
弟者さんは私に治癒魔法をかけたまま彼らに少しからかう感じで言った。
それに三人称の人達はそれにのって面白みのある言い合いが始まった。
「あれれ〜弟者くんそんなこと言っていいのかな〜?」
「んん〜何だねドンさん、こちとらいつでも殺り合ってもいいんだよ〜?」
そう言って私を治癒してくれている反対側の手で炎を生み出す。
そうすると鉄塔さんが苦笑しながら言った。
「弟者とやるのは洒落にならないから」
鉄塔さんの言葉に皆が笑った。
先程までの緊張感がまるで嘘のように思えてきた。
「…ん、これで大丈夫だと思うけど、どう?」
「はい、もう大丈夫です」
ありがとうございます、弟者さんの顔を見てお礼を言った。
彼は私の頭を撫でどういたしまして、そう言ってくれた。
丁度そのときおついち先生が戻って来て、気がつくと学校は元の通りに直っていた。
…流石おついち先生だ。
「Aちゃん、大丈夫?」
「平気です、今魔法でとれたものを映しますね」
私は立ち上がり杖を掲げる。
そして先程の目視魔法で焼き付けたものを地面に映し出した。
「!」
三人のアザゼルが映っているのを見た瞬間、弟者さんとおついち先生が目を見開いた。
「こいつ…15年前にも…!」
「間違いない…」
二人が見ていた人物は、目的の邪魔がいなくて好都合だと言っていた人物だった。
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作者名:Sky | 作成日時:2017年9月9日 19時