ある日迷いこんだ森の中で (ページ1)

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ある日の話ページ1

この世界には、強く目立つ存在が三つある。

一つ目は、魔獣。
平和な生活を脅かす者たち。

二つ目は、魔法。
五人に一人の確率で立派な魔法使いになるために存在する。そして、魔獣を倒す為の強い力を持つために、魔法学校というものがある。

3つ目は、騎士。
魔獣を己の力で討ち取るべく剣で闘い、凶悪な魔獣に挑むときは、集団で集まることも少なくない、そんな者たち。

その中に含まれていない者は、毎日平和を望みながら生きている。

その中で私は、なりたくもなかったのに、生まれつき魔力を持って生まれてしまったため、魔法使いになるべく日々学校へと通わされていた。
生活は、楽しくなんてなかった。

魔法が使える者も、結局は人間。
少し優等生になるといじめという何とも醜いことをする。

それに嫌気が差し、私は学校から逃げ出してきた。

「…ここ、どこだろう」

その結果がこれだ。
何も考えずむしゃくしゃした気分に駆られながら道ある道を進むとそこは知らない森。

「…取り敢えず、このまま進むしかないよね」

立ち止まっていたって何もないのだから。
不安になる気持ちを無理矢理押し殺し、足を前へと進めた。

しかし、広い道は一向に出てこない。

「どうしよう…」

そろそろ本当に心細くなったとき、右奥の方から茂みにぶつかるような音がした。
魔獣だったらどうしよう。
そんな不安が頭の中をかけ巡る。

「大丈夫、魔法だって使えるし、もしかしたら私以外にもいるかもしれない」

そう自分に言い聞かせ、思い切って茂みの先へと足を運んだ。

最後の草木をかき分けたとき。

「え…っ」

そこにいたのは、

「……」

私と同じように驚きを秘めた綺麗な赤い瞳をもつ

ドラゴンでした。