#5 白黒 ページ6
宇「Aちゃん髪長いねー」
『ま、まぁ』
宇「えっと……ごめんね?ここに来て急にお風呂なんて」
『いいえ。汚くてすみません』
宇「違う違う!まぁスッキリして欲しいって気持ちもあったんだけど、それより打ち解けたいなと思って」
『……?』
宇「Aちゃんあまり話してくれなさそうだからさ。何か困ったことがあった時気軽に話せる人が来た方が楽でしょ?だから私に慣れてほしいなって思ったの」
『……ごめ「謝るの禁止!!!」
宇「Aちゃん、そんな謝る必要は無いよ?私は自分で望んでAちゃんに世話を焼きたいの。これから紹介するけどここにいるみんなも絶対そう!だから、そういう時は“ありがとう”だよ?」
『す………ありがとう、ございます』
宇「うんっそうそう!本当に自分がいけないことしちゃったなってって思った時だけ謝る。わかった?」
『はい…』
宇「それでさAちゃん。自分の世界にいた時の記憶失っちゃったって聞いたんだけど、ちょっとも覚えてない?あ、答えたくなかったらいいからね!」
『……はい。何も思い出せないんです。ただ、感覚で今こうしなきゃみたいなのがあって……』
宇「例えば?」
『あまり人にお世話にならないとか、迷惑をかけないとか。もし誰かに迷惑かけたら直ぐに謝らないといけない…とか』
宇「……厳しかったんだね」
『たぶん……』
宇「そういえばAちゃんの年齢って?」
『……』
宇「それも分からないか……」
『本当に何も覚えてないんです。どうしてここへ来たのか、私は何者なのか、私は前どんなことをしていたのか、何で思い出そうとすると苦しくなるのか。私はこれから……どうすれば………っ……』
宇「………!!Aちゃん。こうやって辛くなった時、いつでも頼って欲しいな。私に限らずみんなに」
『っ………でもっ……』
宇「Aちゃんが悲しんでる時、私も悲しくてたまらない。そういう痛みは共有して和らげるのが1番いいの。今はどう?」
『………1人より…辛くない……です……』
宇「よかった……」
良かったと思いつつ宇佐美は悲しかった。
Aの話を聞きながら、Aの長い黒髪に隠れて見える白髪の原因が何となく予想ついてしまったのだ。
恐らくそれはストレスによるもので、記憶を失ったり思い出そうとすると苦しくなるのは“酷いこと”をされたからだろうと思ってしまったのだ。
Aのことを大切にしたい。
宇佐美は目の前の涙を流し続けるAを見てそう思った。
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パステル☆*°(プロフ) - おんぷさん» ありがとうございます……(泣)頑張ります！！！ (2021年8月3日 15時) (
レス) id: e374720797 (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです…！一気読みしてしまいました(笑)大変だとは思いますが、更新楽しみにしてます！！応援してます！！！ (2021年8月1日 20時) (レス) id: 416a70e64b (このIDを非表示/違反報告)
パステル☆*°(プロフ) - しおりさん» ありがとうございます(；＿；)期待に応えれるよう精一杯頑張ります！！ (2021年4月3日 14時) (レス) id: e374720797 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！遊真くんの小説あんまりないので素敵な作品に出会えてとても嬉しいです！更新楽しみにしています！ (2021年3月31日 22時) (レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
コクーン(プロフ) - 遊真は誰とでも仲良くなれますからねw (2021年3月11日 7時) (レス) id: df4dd2fe70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パステル☆*° | 作成日時：2021年3月4日 22時
