【鬼滅の刃】偶然、または必然か・肆【ハンターハンター】

161話　懐かしい人 ページ37

「起きて、A......A！起きてってば！｣



聞き覚えのある明るい声

肩を揺する温かな手


ああ、ここは.....いったい、どこ？



『ん....あっ、た、炭治郎は！？煉獄様......ｯ』



驚いて顔を上げる

しまった、どうやら列車の中で眠ってしまったようである


鬼を探すためガタッと立ち上がると、目の前にパソコンがある

は.......？



一瞬、自分の目を疑った



なんで大正時代にパソコンがあるの？ここは？列車の中じゃない、でも知ってる

どこだっけ、どこで見たんだっけ



『.......シャル？』



絞り出した声はとても小さくて、周りに聞こえたかすら怪しいレベルだ

でも、私の後ろからはその声に答えるように人の気配が動いた



「シャルだけど.....なに？嫌な夢でもみたの？｣

『シャ、ル....な、んで、ヒソカ、は？』



人懐っこい笑みを浮かべて、困ったように笑うシャル


ああ、なんて幸せな空間なんだろうか

でも起きなければいけない、ここは鬼の術中だ



「タンジロウ、レンゴク様？まったく、A疲れてるんじゃない？｣



炭治郎と、煉獄様は.....あれ



炭治郎って誰だっけ

煉獄様ってどんな人だっけ


......ああ、今までは全てシャルの言うような悪い夢だったのかもしれない

だって、だって



さっきまで鮮明に覚えていたことが、今はもう思い出せないんだから



『本当に、悪い夢を見てたみたい

　 ごめんシャル、コーヒー作ってくれる？』


「はいはい、Aの仰せのままに｣






その時のシャルの笑顔が歪んでいたことに、私は全く気づくことができなかった

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