130話 土下座 ページ4
私の拳を軽々と避けた傷男は、馬鹿にしたような顔でこちらを見る
この期に及んでまだそんな顔をするなんて...何故、こんな奴が柱になっているんだ
嗚呼、うざったい
こんなことならいっそ______拳銃で、頭を撃ち抜いてやろうか
『鬼だから?人を喰らう可能性があるから?ふざけるなよ』
「攻撃一つ入れられないガキがよく言うなァ!」
人とは、本当に不思議な生き物だ
一度思い付いてしまえばなかなかイメージは消えないし、忘れることもできない
「禰豆子!!A!!」
『...死ね、愚図が』
即座に拳銃を出し男のこめかみに向けて構える
もう、いっか
だってコイツは禰豆子ちゃんを切りつけた
炭治郎を殺すと言っていた
そんな奴にやり返して、なにが悪いんだろう...なにも、悪くない筈だ
完全に暴走して今にも引き金を引こうとしている私を止めたのは、とても短い言葉だった
「A!!」
『ぎ、ゆう...さん?』
突然名前を呼ばれたことに驚いて、思わずそのまま停止する
義勇さんは、「やめろ」とも「やれ」とも言わなかった
ただ、私の名前を呼んだだけだった
どうしよう、だってコイツは
でも義勇さんはきっと
炭治郎は?禰豆子ちゃんは?
「...ムー」
『ッ!?あ、禰豆子、ちゃ』
「フガ!」
一瞬のうちに様々な考えが頭の中を駆け巡る
そんな私を見て、禰豆子ちゃんは優しく包み込むように抱き締めてくれた
"人は守り助けるもの。傷つけない、絶対に傷つけない。...傷つけちゃ、ダメだよ"
その手が、私にはそんな風に言っているように思えて仕方がなかった
誰もが身動きをとれずに呆気にとられているなか、私はそっと禰豆子ちゃんの体を離す
そして私は_______拳銃と刀を畳に置き、深く深く頭を下げた
『柱様に対しご無礼を働きましたこと、お詫びいたします
申し訳、ございませんでした』
本当は今直ぐにでも相手を殴り飛ばしたい
でも、それでも
義勇さんに恥はかかせられない...
「どうしたのかな?」
「鬼の女の子は流星様のことを案ずるような行動を取り、そっぽを向きました
不死川様に三度刺されていましたが、我慢して噛みつかなかったです」
「それから、流星様は不死川様に頭を下げておられます」
白髪の子供が御館様にそう説明する
「ではこれで禰豆子が人を襲わないことを証明できたね」
「それからA、顔を上げていいよ」
御館様は、穏やかにそう呟いた
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セブンス・エイカン(プロフ) - booksさん» シャル好きなんですよねぇ作者が.......これから数話にかけてシャルやら蜘蛛の皆が出てきますよ〜!! (2020年1月27日 20時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
books - シャルを出してくるのはずるすぎる。 (2020年1月27日 19時) (レス) id: e463963ad8 (このIDを非表示/違反報告)
くれあ(プロフ) - こちらこそ無理を言ったりしてごめんなさい...これからも頑張ってください! (2019年12月29日 14時) (レス) id: 25d58b0605 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - くれあさん» わかりました!じゃあ、しのぶさんのことは師範にしときます!!ご指摘ありがとうございます!! (2019年12月28日 23時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
くれあ(プロフ) - お返事ありがとうございます!やっぱりカナヲはしのぶちゃんの事を師範と呼んだほうがしっくりきます!自分も調べてはみたんですけど出てこなかったのでカナエちゃんに関してはセブンスさんが決めたらいいと思います… (2019年12月28日 23時) (レス) id: 25d58b0605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2019年12月19日 20時