【鬼滅の刃】偶然、または必然か・肆【ハンターハンター】

140話　誰のもの ページ14

『ところで獪岳さん、どうして西洋菓子を買ってきてくれたんです？』

「お前らが好きだっつったからだろ｣

『え？...ああ、手紙のことですか』



"私も善逸も甘いものが好きですよ"



そんな内容のことを手紙に書いたのを思い出す

なるほど、にしてもよく覚えていたものだ


アオイに一言断ってから、部屋を借りて紅茶を入れる

うん、ケーキには紅茶があうだろう



『獪岳さんはどれを食べます？私はどれでも良いですよ』

「...普通の｣

『じゃ、ショートケーキですね』



箱にはショートケーキ二つとチョコケーキ？が入っているので、ショートケーキを獪岳さんの皿にのせる

私はチョコにしようかな


そう思い、自分の皿にはチョコケーキをのせた



『紅茶、できましたよ...それで、最近は何かありましたか？

　 獪岳さんったら、私が書いたことへの感想しか返してくれないんですから』

「...特にねえ｣



あ、今嘘をついた


獪岳さんの瞳をじっと見つめて考える

人が嘘をつくとき、瞳は左右に揺れる

それか、目を伏せがちになるのが一般的だ


獪岳さんはそのどちらも当てはまっていたので嘘をついているのは間違いない



『話したくないなら、良いですけどね

　 例え何があっても私は獪岳さんの味方ですよ』

「ｯ...あ、当たり前、だろ｣


『はい、でもあんまりつっけんどんな態度を取ると周りには嫌われます』

「....｣



無器用で怒りっぽい獪岳さんのことだ、きっと他の隊士といざこざでもあったのだろう

まったく、どうして私の周りには無器用な男が多いんだか


義勇さんもそうだし...苦労するなぁ

まあ、好きでやっているから良いのだが



『獪岳さん、知ってますか？人にはね、変わる機会なんていくらでもあるんですよ』

「.....｣



相変わらず黙ったまま黙々とケーキを食べ進めている

あ、結構楽しそうだな



『獪岳さん、もう一つのケーキはいったい誰用ですか？』



そう言うと、獪岳さんはピクリと眉を動かした

ん...？その反応はなんだ...？



「知らねぇ｣



と、言って立ち上がる獪岳さん

えっもう帰るの...というか、食べるの早すぎないか？


私ほとんど残ってるのに...

獪岳さんが荒々しく屋敷を出ていったのを見届けてから、少し自分で思いを巡らせる


"お前らが好きだっつっただろ"


ああ、なるほど



『善逸、匿名希望の方からケーキのお届けものだよ』

「匿名希望？え、誰だろ｣



なんだかんだ言って、仲の良い(？)兄弟である

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