【鬼滅の刃】偶然、または必然か・参【ハンターハンター】

121話　冨岡の妹(語り手said ) ページ43

広く、美しい庭の真ん中

そこには鬼殺隊の頂点に立つ者達...柱の八人が集合している


その輪に入らず一人立っている水柱、冨岡義勇の腕には

気を失った流星Aが抱えられている


そんな冨岡に話しかける柱が一人＿＿＿蟲柱、胡蝶しのぶである



「あらあら冨岡さん？その子、いつぞやの居候の子ではありませんか｣

「いつの間に鬼殺隊に入ったんです？というか今お二人はどういったご関係で？｣

「...妹だ｣



冨岡が口下手なのを承知の上で話しかけているところ、今この状況を楽しんでいるようにも見える


困っているのか鬱陶しいのか

よくわからない表情で答えた冨岡に反応したのは、炎柱の煉獄杏寿郎だ



「なんと！！ではその子が俺が冨岡に渡した本を読んでいたのだな！！

　 しかしボロボロじゃないか！それに重大な隊律違反を犯した！！冨岡はそれについてどう思う？｣

「...うるさい、Aが起きる｣

「よもや！！すまないな！！その子の名前はAと言うのか！｣



声量について指摘されるも全く改善する気配のない煉獄に、冨岡は小さく眉を寄せた

その様子を黙って見ていた他の柱達の思っていることはほとんど同じである



「冨岡には妹がいたのか？しかも妹の動きに感づくことが出来ないとは...

　 貴様には柱としての自覚が足りない、聞いているのか冨岡？｣

「まあまあ伊黒、その辺にしとけ

　 にしてもあの女派手に美人だな、冨岡とは似ても似つかないぜ｣



冨岡に妹がいたことへの驚き、そして今回の隊律違反について冨岡は知っていたのかということだ

普段からあまり話をしない冨岡は、当然妹のことを周りに話していない


唯一Aの存在を知っていた胡蝶と煉獄も、あまり深い関係は知らなかった

妹という言葉に興味を引かれたのか、ずんずんと近づいていきAの顔を覗き混む



「む、確かに！宇髄の言う通り綺麗な顔立ちをしているな！！｣

「そうだろう...俺の妹は綺麗で強く、誰に対しても優しい｣

「兄弟仲が良いのは素晴らしいことだ！！｣



ツッコミ不在の会話が繰り広げられるなか、冨岡の腕の中のAが微かに唸る

周りがうるさすぎるからだ


しかし、それに気付かない煉獄は尚も大声で話続けた

その結果


Aの大きな瞳は、ぱっちりと開かれる



『ん...はｯ』

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