73話 バカ女(不死川side ) ページ37
『あ、バレちゃった？ごめんね、別に悪巧みをしてたわけじゃないんだけど』
そう言って木の影から顔を出したのは、狐の面をつけた女だった
その女は何度か話しかけてきたが、こんなやつに興味はない
ただ、冷たく突き放した
そうしたら、女は何処かに行った...のだが、その際に俺に果物を投げてよこしてきた
その果物は女が腕に抱えていたもので、おそらく自分のために取ったものだろう
「...変な女｣
しっかりと確認してから果物を口に運ぶ
みずみずしい果物は乾いた口の中を潤して、腹も満たした
もう会うことはねぇだろうが、感謝ぐらいしてもいいな
そんなことを考えて宛もなく歩き始めた...のだが
十時間ほど経ってからその女と再会してしまった
『あれ、さっきの子！また会ったね、久しぶり』
『名前は何て言うの？あ、私はAだよ』
『銃でも鬼って殺せるんだねぇ、知らなかったよ』
しかも、しつこく付きまとって話かけてくる
あまりにもしつこく聞いてくるので、不死川という名字だけは伝えた
そうすれば気がすんでいなくなるかと思ったからだ
が、いなくなるどころか更に話しかけて来るようになった
『そんなこと言わずに、ね？
私は、不死川君ともっと仲良くなりたいなぁ』
何度も何度も懲りずに話しかける目の前の女を見て、俺はなぜか母ちゃんのことを思い出していた
温かい目とか、優しい声とか
何を言っても受け止めてくれるような笑顔がそっくりだ
「...お前は｣
気づけば、口が勝手に動いた
そのあと話を聞けば、なんと女にも兄貴がいるらしい
それを聞いたとき、無性に泣きたくなった
兄貴と仲良くやっていると、その人の隣に立ちたいと、守りたいと
そう言って微笑むところを見ていれば、俺は
俺はきっと
こいつみたいに、なりたかった
そんな感情に、気づいてしまった
俺だって本当は兄貴と仲良くしたい
俺だって本当は呼吸を使って兄貴と同じところまで行きたい
俺だって本当は大切な家族を守りたい
でも、俺には才能がない
こいつはきっと呼吸をうまく使いこなして、素早く鬼を切れるんだろう
それなのに、俺は＿＿＿＿＿
考え事をしながら歩いているといつの間にか日はくれ、女はまだついてきていた
『すっかり夜だね...また人が鬼に食べられる』
キョロキョロと辺りを見回しながら女は言った
そして、その後ろには
一匹の鬼がいた
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セブンス・エイカン(プロフ) - 霧雨魔梨乃さん» 天才だなんてそんなこと...ありまs((失礼しました(土下座)、ありがとうございまぁぁぁぁぁぁす！！！ (2019年10月31日 22時) (
レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
霧雨魔梨乃 - マジでやばい!天才だわぁ。物語作ってけれてありがとう(TOT) (2019年10月31日 21時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - booksさん» 真菰ちゃん可愛いよねぇーーーー！死んでほしくなかったぁぁぁぁ...手鬼許すまじ(怒) (2019年10月31日 7時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
books - 真菰ちゃん…ま″こ″も″ぢゃぁぁん！尊いよぉぉぉーー！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: e463963ad8 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ムーンさん» オッケーです！思いの外生存ルート人気ですね！私も映画は見に行く予定ですが映画館が大洪水になることでしょう... (2019年10月28日 7時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セブンス・エイカン | 作成日時：2019年10月4日 20時
