【鬼滅の刃】偶然、または必然か・弍【ハンターハンター】

80話　冷たく、温かい(善逸side ) ページ44

初めて君の音を聞いたとき、俺はなんだか無性に泣きたくなった


すごく温かくて優しい音

きっと母親とか、姉とかがいたらこんな感じなんだろうなって思った


偶然ぶつかったその君はとても可愛くて、俺は君にいわゆる一目惚れってやつ？をした


もうだってめっちゃ可愛いんだもん

ほんとに優しくて、可愛くて、可愛いんだよ？

そんなの好きになるしかないじゃんね


でも、そんな君からはもうひとつ、音がしたんだ


それは＿＿＿＿すごく冷たくて、感情のない音だった

なんだろう、どうでもいいって言うか...関心がないって感じ？


この矛盾した音が、君の...

Aちゃんの、二つの音



『いいじゃない、人のために使える個性でしょう？どこが気持ち悪いの』



俺が音をAちゃんに話したとき、Aちゃんはそう言ってくれたよね

俺、まだ覚えてるよ


Aちゃんは、自分以外の誰かにはすごく優しい

でも、その後の自分の命を自ら危険にさらすような行動を見てわかった


Aちゃんは、きっと自分のことはどうでもいいって思ってるんだ


あの後、すぐに別れちゃって

俺なにも言えなかったけど



「もっと自分を大切にして｣



そう言いたかったんだよ？君のために

でも、(名前しかわからないんだから当たり前だけど)Aちゃんとはそれっきり会えなくて

俺もいつしかAちゃんのことを忘れてた


なのに、俺たちは再会した

最終選別という、最低な舞台の上で



「Aちゃん！？Aちゃんなの！？やだなにそのカッこ可愛いッ！！！｣

『あ、我妻君？久しぶりだね、ほんと』



Aちゃんは相変わらず可愛くて優しくて、なんだか自分が情けなかった


俺、まだまだ弱いのに

Aちゃんからは鍛え抜かれた音がした


遠い、遠いよAちゃん


俺、君を守りたいのに

俺弱いからぜんぜんダメなんだよ


もうどれだけ頑張っても追い付けそうにないね、俺

鬼がでたのに、なんにもできないな


でも、君だけは

心から優しいAちゃんだけは


守りたいよ、怖くても

助けたいよ、弱くても



『ぜん、いつ？』



君の優しい声がして、俺の頭にかかったもやは消えていく



「あれっAちゃん！？お、鬼はっ！？って、ギャァァァァァァ！！！死んでるぅぅぅぅ！！！｣



目が覚めたらスッゴい可愛い顔が目の前にあったんだからそりゃ叫ぶよね

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