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53話 心配 ページ12

「もうお帰りになるのですか?せめて朝食だけでも...」

『いえ、多分心配してくれていると思うので

  お気持ちだけ受け取っておきますね』



にっこりと笑って首を振る

今はちょうど日の出の時刻で、もう鬼が出る可能性はない

なので、朝食前に家に帰ることにした



「そうですか...あの、これを」

『?...手紙、ですか?』



世季さんが何かを出して私に渡した

どうやら手紙らしく、紙には私の名前が書いてある



「はい、翔大が書いたんですけど、自分で渡すのは恥ずかしいみたいで」



困ったように眉を下げて笑う世季さん

お礼を言ってから手紙を開く

そこには、こう書いてあった


"お姉ちゃんへ

  いっしょにお母さんを探してくれてありがとう。

  ワッフルおいしかったよ。食べたことない味がした。

  また会ったらワッフル食べようね。 しょうたより"



『翔大君に、ありがとうとお伝えください』



ペコリと頭を下げてから、家を出る

翔大君からの手紙は、大事に胸の部分に入れておいた






『よっと...あぁ、見えてきた』


世季さんに別れを告げてから数十分

やっとの思いで家まで帰ってこれた


近くまでいくと、なにやら言い合いをしている声が聞こえて


炭治郎が怒っている?珍しいなぁ


なんて呑気なことを思いながら家の扉を開けた



「でも!帰ってこないんですよ!?早く探しに行かないと!!」

「迎えがいるほど弱くないだろう」

『ただいま帰りました...えっと、なにかありました?』



家に入るなり聞こえる言葉を不思議に感じる

誰のことだ?もしかして私?いや、そんなことはないか


そう思い炭治郎の方に歩み寄ると、炭治郎と鱗滝さんは目を見開いた



「えっ、な、A!?いつの間に帰ったんだ!!というか、なぜ昨日帰ってこなかったんだ!?

  怪我はないか!?すごく心配したんだぞ!!」



ガシッと肩を掴まれてまくし立てられる

そのまま、炭治郎は私に抱きついた



「こっ、このままっ!帰ってこなかったら、どうしようかとっ

  すごく、不安でっ...怖かったんだからな」

『...ごめん、炭治郎』

「Aまで、いなくなったら!俺、もうダメだよ

  なあ、お願いだから...Aだけは、いなくならないでくれ」



炭治郎の声は弱々しく、最後の方は半分泣いていて

私は、ただ背中を擦ることしかできなかった

54話 朝食+α→←作者による作者のための短編



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セブンス・エイカン(プロフ) - 霧雨魔梨乃さん» 天才だなんてそんなこと...ありまs((失礼しました(土下座)、ありがとうございまぁぁぁぁぁぁす!!! (2019年10月31日 22時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
霧雨魔梨乃 - マジでやばい!天才だわぁ。物語作ってけれてありがとう(TOT) (2019年10月31日 21時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - booksさん» 真菰ちゃん可愛いよねぇーーーー!死んでほしくなかったぁぁぁぁ...手鬼許すまじ(怒) (2019年10月31日 7時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)
books - 真菰ちゃん…ま″こ″も″ぢゃぁぁん!尊いよぉぉぉーー! (2019年10月30日 23時) (レス) id: e463963ad8 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ムーンさん» オッケーです!思いの外生存ルート人気ですね!私も映画は見に行く予定ですが映画館が大洪水になることでしょう... (2019年10月28日 7時) (レス) id: c11c2be27e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2019年10月4日 20時

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