【鬼滅の刃】偶然、または必然か【ハンターハンター】

36話　鱗滝さん ページ42

夜明けの気配にいち早く気づいた禰豆子ちゃんは、お堂のなかに移動する

やがて、山から太陽が顔を出した



「あっ、もたもたしていたら夜が明けてしまった｣

「！！ギャアッギャアァァァァ｣



鬼が汚い断末魔をあげて塵になって消えていく


良かった、誰も怪我をすることなく殺すことができた


ほっとため息をつけば、炭治郎は信じられないとでも言うような顔で鬼がいた場所を見ている

確かに知らなかったなら驚くのが当たり前だろう


禰豆子ちゃんが入っていったお堂の方を見ると、さっきのおじいさんが埋葬をしていた


優しい人が多いんだなぁ

まあ、こう言っている私も以前よりだいぶ丸くなったのだが



「あの...｣



炭治郎がおじいさんに声をかけたのを見て、私も炭治郎の後ろまで動く

目の前のおじいさんは、私と炭治郎を交互に見据えてから口を開いた



「儂は鱗滝左近次だ

　 義勇の紹介はお前とそちらの娘で間違いないな？｣

『はい、流星Aと申します』

「えっと、竈門炭治郎と言います

　 妹は禰豆子で...｣



炭治郎が禰豆子ちゃんを紹介しようとしたとき、鱗滝さんがそれを渡った



「炭治郎、妹が人を喰ったときお前はどうする｣



その問いに、炭治郎はすぐ答えることができなかった

パァン、と乾いた音が辺りに響く

炭治郎が頬を叩かれたのだ


この人は育手だ、反抗しちゃいけない

それにこれだって炭治郎のためだ、平常心を保て、A


自分自身に言い聞かせてから二人の動きを見守る

炭治郎は、ひどく驚いた様子だった



「判断が遅い

　 お前はとにかく判断が遅い、朝になるまで鬼にとどめをさせなかった

　 今の質問に間髪入れずに答えられなかったのは何故か？

　 お前の覚悟が甘いからだ｣

「妹が人を喰ったときすることは二つ

　 妹を殺す、お前は腹を切って死ぬ

　 鬼になった妹を連れていくということはそういうことだ｣



鱗滝さんが言うことは、確かな説得力があった

はっと見開かれた炭治郎の目は、こころなしか輝いているように見える



「では、お前たちが鬼殺の剣士として相応しいかどうかを試す

　 儂についてこい｣



そう言って走り出す鱗滝さんに続いて、私たちも走り出す


炭治郎は少しきつそうだが大丈夫だろうか

でも、ここで甘やかしても炭治郎のためにはならないしな...


前を向いて、懸命に走っている炭治郎とても立派に見えた

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