【鬼滅の刃】偶然、または必然か【ハンターハンター】

9話　動揺と安心 ページ12

カシャン

あまりに驚いて箸を落としてしまった

でも、今はそんなの気にならない


今、明日死ぬって言った...？

冗談、ではないだろうから...例え話だろうか

もしもの話、のはずだ



『え、と...冨岡さん？例え、ですよね？』

「？...あぁ、そういうことか

　 安心しろ、例えだ｣



冨岡さんの言葉にほっと胸を撫で下ろす


冨岡さんとはまだ会って間もないが、優しい人だということはわかっている

そして、彼が本気で私の救いになろうとしてくれていることも


こんな私に手を差しのべてくれた人だ

死なれたら悲しい



『私は、ついていきますよ

　 さっきの動きを見て冨岡さんが強いことはわかってますから

　 こんなこと言うのは早いかもしれないけど、信頼しました』



落とした箸を拾い、新しい箸に手を伸ばす


ジャポンの伝統料理も捨てたものではないな...


自然と笑みがこぼれた


きっと、こんなに楽しいのは

料理が美味しいからだけじゃないんだろうな

そう思うと、目覚めて最初に会ったのが冨岡さんで良かったとつくづく感じた


カチャ、と箸を揃えて置く

手を揃えてごちそうさまでした、と言ってから冨岡さんの方を向く



『すみません、お待たせしました』

「...いや｣



私も食べるのが早い方だとは思っていたが、冨岡さんはめちゃくちゃ早かった

私が半分食べる頃にはほとんど食べ終わっていた程だ


これも、すぐに戦いの場に向かえるようにするための工夫なのかな...勉強になる


何をしたいのか決まるまではこの人の下に付こう

そう心に決めた



「これから移動する 乗れ｣



だから、何処に移動するのか言ってないんだよな...

下に着くついでにちゃんと喋る方法も教えとこうと決意した瞬間だった


ちなみにおんぶされている間に聞いたところ、今は冨岡さんの屋敷に向かっているそうだ


屋敷を持っているということは本当にお金に困っていないんだな

そんなに鬼殺隊はお金が入るのだろうか？

まあ、常に死と隣り合わせなんだから当たり前か


ぼんやりと考えている間にも、冨岡さんは着々と歩みを進めていた



「寝ていて良いぞ

　 少し時間がかかる｣



冨岡さんがそう言ってくれたので、その言葉に甘えることにしよう



『すみません、ありがとうございます』



自分の予想以上に体は疲れていて、目をつぶればすぐに眠りにおちた

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