17話 一人で ページ23
ざわざわとした町の賑わいが耳に入る
午前中はお客さんが多いと以前聞いたのを思い出す
『松さーん、この鮭ください』
「おう、今日は一人か!よし、大きいの選んでやろうな!」
『あら、ありがとうございます』
私が声をかけると店の奥から出てきたのは、魚屋の松さんである
よく冨岡さんと鮭を買いに来るので仲良くなった
私が来る前から冨岡さんは来ていたらしいが、口下手すぎて取っ付きにくいと思われていたらしい
口下手ってこういう時に不便だなぁ
どちらもとてもいい人なのに
松さんから鮭を受け取りお金を渡す
最初は硬貨も違ったためうろたえたが、慣れた
我ながら適応力が凄いと思う
『茂菜さーん、大根一つくださーい』
「あらあら、Aちゃん今日は一人?」
『はい、冨岡さんはお仕事があるので』
「あぁ、そうなのね
それじゃあ美味しい鮭大根を作ってあげないとねぇ!ほら、こっちへおいで
お饅頭を二つあげるから、義勇君と一緒に食べなさい」
『わぁ、ありがとうございます』
大根のおまけでお饅頭をくれたのは、八百屋の茂菜さんだ
私や冨岡さんと同じくらいの兄弟がいるそうで、とても優しくしてくれる
ちなみに、松さんと同じ理由で以前はあまり話さなかったそう
ここまで来たら逆に凄いよな
「あぁそうだわAちゃん、時間があれば花香ちゃんのお家に寄ってみたら?
また一緒に遊びたいと言っていたわよ」
『え、そうなんですか?
前に会ったときムスッとしていたので、嫌われてしまったのかと』
「ふふ、あの子あまのじゃくなのよ
貴方が帰ったあと、とても楽しそうに話してくれたわ!」
茂菜さんが言う花香ちゃんというのは、近所に住む7歳の女の子
お母さんが茂菜さんと仲が良いらしく、時々会って遊んでいた
てっきりつまらなかったのかと思ったのだが、そうではなかったらしい
確かに花香ちゃん素直じゃないもんなぁ...
花香ちゃんの顔を思い浮かべてから、茂菜さんに目を向ける
『わかりました、この後寄ってみますね
それじゃまた』
ペコリと頭を下げて歩き出す
やっぱりこの町の人たちはいい人ばかりだな
自然と頬が緩む
実は一人で買い物をするのは初めてだったので少しドキドキしていたのだが
普段から冨岡さんはあまり喋らないし、いつもとあまり変わらなかった
今頃冨岡さんが口の周りにお米をつけておにぎりを食べていると思うと、なんだか少しおかしかった
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セブンス・エイカン(プロフ) - へまとふぃりぃあさん» あはははは.....そうなんです、実はそうなんですよね。夢主ちゃんかなりヤバイですよね!!でも大丈夫、優しくなります。そうです優しくなるんです。(震え) (2020年10月23日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
へまとふぃりぃあ - 私は気がついてしまいました…夢主の方が序盤の鬼よりも人を殺しているのでは と、言うことを (2020年10月23日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーキャット(プロフ) - 作ってあるので入ってみてくださいパスワードは後で言います (2020年3月13日 8時) (レス) id: aed0ea54d9 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーキャット(プロフ) - セブンス・エイカンさん» https://uranai.nosv.org/u.php/novel/Kh199809182/ (2020年3月13日 8時) (レス) id: aed0ea54d9 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーキャット(プロフ) - セブンス・エイカンさん» はいそんな感じですえっとキャラクターでネズコちゃんも一緒にいるってことになってます本当は箱の中にいますけど夜しか出ない感じです (2020年3月13日 7時) (レス) id: aed0ea54d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2019年9月10日 23時