283話 上弦の弐 ページ10
『....そう?私は夜は好きじゃないから、別にそうは思わない』
薄っぺらな笑みを浮かべ近寄ってくる鬼に、私はそう悪態をつく
すると、後ろにいるしのぶさんの方から、血を吐いたような音がした
.....胡散臭い笑みは嫌いだ
どうにも、アイツを______ヒソカを、連想させるから
『.....しのぶさん、失礼します』
「ゴフッ.....ゲホ、ゴホッ」
見たところ、肺が切られているようだった
呼吸の使い手にとって肺は命と同じ
肺が機能しなければ呼吸が使えないことを知っていて、アイツは肺を狙ったのだろう
「ああ、その子と知り合いなんだね。ごめんよ、すぐに君も楽にしてあげ.......」
″存在の呼吸 壱ノ型 破壊の剛拳″
『近づかないでほしいのだけど......次は、腕を切り落としてあげる』
私の振るった刀は、スピードが出ていたからか鬼の指を切り落とすことに成功する
しのぶさんに刀が当たらぬよう気を付けて遠くへ運べば、彼女の瞳からは大粒の涙が溢れていた
......やはり、片手だと不便すぎる
誰かを抱えている間に攻撃が来ても裁けないし、だいたい刀が邪魔になってしまう
仕方なく刀を一度床に刺して、そっと、しのぶさんの胸の傷に手を当てる
″癒しの光(カラーシアター)″
「ッ......こ、れは......?」
『大丈夫ですか?動ければすみませんが、補佐をしてくれると有り難いです。
どうにかアイツの頚を斬りますので、私の左手がないぶんを補ってもらいたい』
.......大丈夫、大丈夫、まだ動ける
能力を使って更に体力が削られるが、まだへばるわけにはいかない
床に刺した刀を抜き、離れた場所で私たちを見ている鬼に向き直る
まずはしのぶさんと協力して鬼を倒して、それから他の所に助太刀に行かなくちゃ____
″存在の呼吸 参ノ型 念糸罠″
「あれ、刀に悪鬼滅殺ってある。君も柱?可笑しいな、猗窩座殿と戦った時は柱じゃなかったよね」
『昇格したの、少しだけど。一応私も柱だから、見くびらないでね』
鬼の血鬼術......氷か、なるほど
その空気を吸うと、おそらく喉や肺が凍りついてしまうのだろう
だけど、頑張らなければ
全力を出して鬼の背後を取り、頚に刀を向ける____
が、次の瞬間、私はしのぶさんによって部屋の端に移動させられていた
「やめてください、今の貴方が戦っても無駄死するだけです」
......嘘だ
ポツリと、私の口からはそんな言葉が漏れた
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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時