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284話 毒 ページ11

『私がここで死のうが、鬼殺隊の損にはならぬはずです。.......離してください、しのぶさん』




ギュッと私の腕を握って離さないしのぶさんに、私はそう声をかける


.......無駄死なんかじゃない

鬼の体力を少しでも削り、鬼殺隊を勝ちに導くことができるのなら、それは無駄じゃない



それでも腕を離そうとしないしのぶさんに多少の苛立ちを感じながら、私は鬼を睨みつつ言葉を紡ぐ




『.....しのぶさん、私は鬼と戦って死ねるなら本望です。

 それに、鬼の頚を斬れる隊士の代わりはいる。ですが、毒を使えるのは貴方だけなんですよ?


 しかも私は、片手片耳、片目が......体を張るべきがどちらかくらい、わかるでしょう』




それだけ言って、無理にしのぶさんを振りほどく


仕方がないだろう、だってこうするしか無いじゃないか

鬼を殺すためならば、多少の被害なんていちいち気にしていられないのだから



.............だから、風柱や愈史郎さんたちには悪いけれど


無理をしなければ、倒せない相手なんだ




″存在の呼吸 壱ノ型 破壊の剛拳″


″存在の呼吸 漆ノ型 神左悪右″



「うわぁ!すごい、まだ若いのにね!感動したよ、君は鬼を狩るために頑張ってきたんだねえ」

『貴方に感動されても、嬉しくはないかな.....』




左目と左耳が使えない分の感性を、何とか気配で補ってみる

しかし、本当に戦いにくい.....


片目でこれだから、両目が見えない状態で戦っている悲鳴嶼さんなんか、どうしているんだろう



出血が多いせいか少しぼんやりした頭で、ふとそんなことを考える




「その左腕も、知ってるよ。君の主君を守ったんだってね.....可哀想に、痛かったろう?

 すぐにそんな痛みも感じないようにあげる、だから大人しくしていてね」




わざとらしく眉を下げて、鬼は持っている扇子を振るう


.......!?どこに来る.....

気配を探れ、どうにか感じ取らないと.....!





ガキィンッ



「Aさん.....っ!命を無下にはしないでください、簡単に殺されては承知しませんよ」

『!.....はい、ありがとうございます。二人で押さえ込みましょう!』




左から来た攻撃をしのぶさんが刀で凪ぎ払い、私のカバーをしてくれる


.......大丈夫、鬼の血鬼術はもう見切った

きっと誰かの鎹鴉が応援を呼んでくれるし、勝機はきっとある









_________さあ、これからが戦いの始まりだ

285話 地獄→←283話 上弦の弐



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セブンス・エイカン(プロフ) - キメツ好きさん» 好きですか!本当ですか!?(喜)無一郎君はできれば助けようと思ってます、コメントありがとうございます.....!じゃんじゃん(?)救済して行きますよー! (2020年6月22日 22時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
キメツ好き - はぁぁぁ泣けますね.....やだ好きです.....()御館様もしのぶさんも助かって良かった!!玄弥くんは.....悲しいけど.....無一郎君は助かるんですかね?救済してください!お願いします! (2020年6月22日 17時) (レス) id: b2fc3cf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 中トトロさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張りますー! (2020年5月21日 7時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
中トトロ(プロフ) - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてますよ! (2020年5月20日 23時) (レス) id: b4064f663e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セブンス・エイカン | 作成日時:2020年5月17日 20時

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