【鬼滅の刃】偶然、または必然か・漆【ハンターハンター】

289話　眠り ページ16

『.....ふ、たり、とも.....少し、アイツを.....任せっきり、に、しても.....？』


「！ええ、ええ！どうか充分に休んでください！！」




そう言ったしのぶさんに応答もせず、私は自分の足首に目をやる


扇子で切られた際に血管が裂けたのか.......今も、大量の血が流れ出ている

まずは、この血を止めないと




＿＿＿＿＿＿＿＿＿大丈夫、大丈夫、私ならできる


煉獄さんも錆兎も真菰も、クロロ達も、きっと私に付いていてくれる




『ｯ、「集中」.....！』




切れた血管を探しだして、そこの筋肉を硬直させ出血を止める

今は体力が落ちているから辛いだけで、実際はそこまで大変なことじゃない


.......今までだって、できてたんだ



私ならできる、大丈夫＿＿＿＿＿＿＿




『フ、ハァｯ.......だ、いじょうぶ。まだ、大丈......』




足の出血を止めたあとは、貧血をどうにかしたいけど.....


都合よく輸血パックなんてあるわけないし、今はそんな手間のかかることをする暇はない

貧血ぐらい、きっと、何とかなるはず



肋骨の骨折も、どうしようもないか......


包帯を巻き直す時間なんてないし、能力で早く回復してくれることを祈るしかない




＿＿＿＿＿＿最後に呼吸を整えて


そう、体温を上昇させないと

体温をあげれば、血鬼術で凍っている肺も解けてくれると信じよう



それで心拍数もあげて、もう一度痣を出して









だけど、そんなことをグルグル考えている間に時間は過ぎてしまっていて


いくら待っても体力が回復する気配はないし、早くカナヲたちを助けないといけないのに





体力が回復しないのは、無理に痣を出そうとしているからなの？


さっきから全く怪我が治っていないのは何故、視界がよくならないのは何故？




...........嗚呼、なんだか疲れたなあ



わからないけれど、眠ったら、もう少し動けるようになるんだろうか......





「Aさん......！？Aさん、ダメです！死んじゃあダメですよ！！」


「おっと、戦闘中によそ見してるの？酷いなぁ、今は俺と話していたじゃないか！ダメだよ、全く」





しのぶさんとカナヲが、必死に私の名前を呼ぶ声が聞こえる


....大丈夫だよ、少し、眠るだけ

ちゃんと起きるから、死ぬつもりなんてさらさらないから





眠った方が使う力が少なくてすむから、これは合法的な手段なんだ





そう思いながら、私は建物の床に自分の体を倒して


そっと、ゆっくりと瞳を閉じた

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