【鬼滅の刃】偶然、または必然か・伍【ハンターハンター】

177話　嗚呼 ページ7

ダメだダメだダメだ


行かせてはならない、煉獄様の全てが無駄になってしまう

何の意味もなく？私を庇ったところでなにになる？



『........受けろｯ！！』



最後の抵抗で刀を投げた


刀が刺さったところで、止められない

足を切ったわけでもないのだから鬼は進む


背中に刀が刺さったぐらい、ただのかすり傷と同じだ



『うわぁぁぁぁぁぁ！！あ″ぁぁぁぁぁぁぁぁ.......』

「Aｯ！」




炭治郎が後ろから飛び出した音が聞こえた


足の力が抜けて、無様に倒れ込んだ私を伊之助が受け止めてくれる

嗚呼、私、なにやってるんだろう




「逃げるな卑怯者！逃げるなァ！！」




炭治郎が叫ぶ

私は声すら出せない



「いつだって鬼殺隊はお前たちに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ！生身の人間がだ！！

　 傷だって簡単には塞がらない！失った手足だって戻らない！」



叫んじゃダメだよ炭治郎

大きな声を出したら傷に響くんだよ、炭治郎だって無傷じゃないでしょう？


こうなったのは私が弱かったからだ

私がもっと強ければ私にもっと力があれば




「逃げるなバカ野郎！！バカ野郎！！卑怯者！！お前なんかより」




お前なんかより


少しだけ言葉を切った炭治郎に目線を向ける



「煉獄さんとAの方がずっとすごいんだ！！二人は負けてない！！

　 誰も死なせなかった！！」



『もう良いよ炭治郎、やめて！！お願い無理しないで！！』

「おい動くんじゃねぇ！A、おいｯ」




良いんだよ炭治郎、私は強くなんてないんだから

弱いんだよ、守れなかったんだから


煉獄様を守れなかった

鬼を殺すことができなかった



″こんなダメな私に構わないでよ″



「戦い抜いた！！守り抜いた！！お前の負けだ！！

　 煉獄さんと、Aの勝ちだｯ！！」



やめて、涙が止まらないの

どうしようもなく悲しいの私は笑わないといけないのに



炭治郎、お願いだから.........これ以上私を無様にしないでよ



涙を流して泣き叫ぶ炭治郎を見て、胸が痛む


私が強ければ彼をあんなに泣かせることもなかった

傷つけることもなかった



私は、なんてダメなやつなんだろう

ただ泣くことしかできない自分に嫌気がさした









「少年、もうそんなに叫ぶんじゃない

　 流星少女も、少しこちらに来て話をしないか」





煉獄様は、静かにそう囁いた

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