【鬼滅の刃】偶然、または必然か・伍【ハンターハンター】

176話　何故 ページ6

傷ついた体が横に傾き、少し離れたところに倒れる


なに？今、何が起こったの？

混乱する頭も、現実を見てしまえば関係ない




「ｯ........！！」

『......あ...な、んで』




私がいた場所にある土煙がはれ、見えたのは

腹部に鬼の腕が刺さった煉獄様の姿だった




「何故割り入った.......死ぬ！死んでしまうぞ杏寿郎。鬼になれ！鬼になると言うんだ！！

　 煉獄杏寿郎、お前は選ばれし強者なのだ！！」




どうしようどうしようどうしよう


手と足が震えて動けなかった


あのままでは煉獄様が死んでしまう

ダメだ、今ここであの人を失うわけにはいかないのに



『煉獄様ｯ........やめて！』



どうしたら助けられる？

すぐに能力を使えばなんとか.......ああ、でも鬼が逃げてしまうそれではダメだ



息がうまく吸えなくて、呼吸するたびに変な音をたてる

焦って立ち上がることすらできない私をよそに


煉獄様は、渾身の力で鬼に刀を向けた



「かっ........」



鬼がわずかに怯んだように見えた

さすがにここで反撃されるのは予想外だったのか？なら、何故腕を抜かないんだ


早くそこを退いてくれお願いだから


死んでしまう煉獄様が

生きなければならない人が失われてしまう




「オオオオオオ！！」

『ｯ........あ″ぁぁぁぁぁぁぁぁ！』




先程まで動かなかった足が、一人でに歩みを進めた

無意識に刀に手をかけ息を吸っている



今、私は何をしようとしているのだろう


それすら、今の私にはわからない




″存在の呼吸 参ノ型 念糸罠″


「オオオオ オオオオオ！」

『大人しく死んで......クズ野郎がｯ』




鬼の首を切らねば


もうすぐで日が出てくる、それまでに鬼は逃げようとするはず


ならそれまでここに鬼を留めておけば！

鬼を殺すことができる日の光を浴びると死ぬのだから




煉獄様は、まるで″逃がさない″と言うような決意を秘めた目で、鬼を取り押さえる

必死に逃げようともがく鬼の首は固く、切れない




「動け！煉獄さんのために動くんだ伊之助ェーーーー！！」



炭治郎が叫んだ


そのとき、鬼が足で地面を打ち付けた

なに？何をするのどこに行くつもり


鬼はそのまま高くに飛び上がり、見ると手を無理やりちぎったらしい



煉獄様の体は、腹部に穴があき内蔵が潰れ

目もほとんど見えていない状態だ



伊之助も私も体勢が悪くて動けない炭治郎も怪我をしている








ああ.........鬼が、逃げて行く

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