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212話 記憶 ページ46

『久しぶり....けど、大丈夫?その傷、上限の鬼と戦ったときのものよね?すごく心配したよ』



駆け寄ってくる無一郎君を見て足を止め、頬に手をやる


頬にも、傷があるのだろう

以前見たときには傷一つなかった肌に、ガーゼが当てられている



.......ごめんね、私が眠っている間にもそんな大変な目に合っていたんだよね

渡士も戦いに行ければ良かったのに......



幼くして体を張るためにできた傷を見て、静かに眉を下げる




「心配したのは、こっちのセリフだよ....!!」




無一郎君が突然大きな声を出したことで、ビクリと肩を揺らす

ビックリした....いったいどうしたんだろう


怒らせてしまったのかと、無一郎君をただ見つめる




『む、無一郎君?どうかしたの?』


「どうしたもこうしたもないよ....ごめん、忘れたのも突き放したのも僕だけど

  でも、知らないうちに危険な任務に行って怪我して、傷ついて。それが、すごく悔しくて」




うつむいた無一郎君のサラサラとした髪を、優しく撫でる


.......心配させてしまったのか

にしても、何かいつもと様子が違う


何が違うんだ.....?顔?いや、話し方か




『あの、無一郎君。今さらって思うかも知れないけど.....全部、覚えてるの?』




今の無一郎君は、明らかに私のことを覚えている話し方だった

初めて会った日に、打ち解けた後の話し方と同じ


心から信頼してくれている瞳だ




「あ、うん、そうなんだ。それで、冷たくしちゃったこと....ごめん

  ホントに、色々してもらったのに僕は....」


「お取り込み中申し訳ないのですが、少しよろしいですか?」




無一郎君が言葉を発し終わる前

いつの間にか隣に来ていた古蝶さんに、ふわりと微笑みかけられた




『あ、ええ、大丈夫です。どうか致しましたか?胡蝶さん』

「どうかしたと言いますか....まず、どうしてここにAさんが?」




どうしてって、そりゃあ御館様に呼ばれたからなのだが


不思議に思い周りを見ると、他に集まっている柱達も同じことを聞きたがっていたらしい

じっとこちらを見つめ、私が答えるのを待っている様子だ





『さあ、私に聞かれましてもわかりません。御館様がお呼びとのことでしたので足を運びました』


「「「は?」」」




......いや、は?と言われても真実なんだが

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セブンス・エイカン(プロフ) - リィさん» ホントですね!すみません、今直しました!ご指摘ありがとうございます!! (2021年10月18日 16時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - 誤字報告:174話 理由の最後の行なんですけど、恋雪が小雪になってます (2021年10月2日 18時) (レス) @page3 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 勿忘草さん» はい、そうです!細かい部分まで気にしていただけるとは......ありがとうございます、本当に嬉しいです!そして、説明が足りず申し訳ない..... (2020年7月26日 21時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - シャルの携帯する他人の運命(ブラックボイス)をどう鬼滅に入れるかと思ったら携帯運命になってる...なんて読むんですか?そのままブラックボイスですか? (2020年7月26日 15時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ありがとうございますッ!!!でもちょっと才能はあんまりないかも。これからもよろしくお願いいたします!! (2020年2月8日 19時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セブンス・エイカン x他1人 | 作成日時:2020年2月2日 22時

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