【鬼滅の刃】偶然、または必然か・伍【ハンターハンター】

175話　殺せない ページ5

『小雪.....？誰？』



ポツリと呟いた鬼に問いかける

様子から見て、人間の頃の知り合い？だろうか


それでも、目の前の鬼は一瞬だけ懐かしそうな目をしたから

大切な人だったことに、変わりはない




「....知らない。知ろうとも思わない。さあ、このことは気にするな！

　油断すると殺してしまうぞ、A！」


″術式展開・空式″




鬼がまたもや繰り出した技に、炭治郎が動こうとして呻く声が聞こえた

大丈夫だよ炭治郎、私は″まだ″死ねないから。何も残さず死ぬことは、できないの


怖いよね、でも安心して


貴方と、貴方に出会い支える人達が歩む道だけは

私が、命に変えてでも守って見せるから




『でも、貴方は私を殺せない.....そうでしょう？貴方は私を殺すつもりで攻撃してないもの』


″存在の呼吸 壱ノ型 破壊の剛拳″



それを聞いて、鬼が少し眉を寄せる

私が出した技を軽く避けながらも、鬼はやはり致命傷になりそうな攻撃は当ててこなかった



「そんなことはない、お前の勘違いだ。俺はお前を殺せる。だから、鬼になれと言っている」

『嘘だ。貴方には、私を殺す機会なんていくらでもあったくせに』



″存在の呼吸 伍ノ型 携帯運命″



いくら私が存在の呼吸を使ったからと言って、所詮これは付け焼き刃

上弦の鬼が手を出せないほどの威力があるとは思えない


それなら、これは

わざと″殺さないように仕向けている″としか考えられないじゃないか




「.....うるさいな。俺はやはりお前が嫌いだ、流星A。お前を見ていると虫酸が走る」




素早く動いた鬼に反応できず、足がもつれた


嗚呼、こんなときに限ってなんて運がないのだろうか

どうしよう転ぶ、そして私は殺される



夜明けが迫っているとはいえこのまま死ぬの？炭治郎には安心してと言ったのに？


また一人で走ってしまった私の責任だ

柱との裁判のときにあれほど心配させてしまったのに




「終わりだなA、せいぜい足掻け」


「Aｯ.......くそっ、止めろォーーーーーーー！！」




炭治郎がもがきながら立ち上がろうとするのが見える

ごめん、多分もう間に合わないだろう


最後に彼に微笑みを見せたくて、後ろを炭治郎もの方を向く




「すまないな流星少女......しかし、ここで君が死ぬべきではないと判断した」




見えたのは煉獄様の羽織と珍しく下がった眉

体に、横からの強い衝撃を感じた

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