【鬼滅の刃】偶然、または必然か・伍【ハンターハンター】

204話　意識 ページ38

暗い部屋に閉じ込められている夢を見た

長い、長い夢だった



『誰、か.....誰もいないの？お願い、誰か.....』




ずっと私は助けを呼ぶけど、いつまでたっても誰も来てくれない

永遠に出られない


そんな夢だった


でも


誰かが、いつも手を握ってくれていた

その時だけ光が差して、少しだけ希望が見える



今も、その光が私を照らしている＿＿＿＿＿＿




「おい＿＿＿は＿＿＿した？」

「＿＿＿は、しの＿＿＿＿に＿＿＿れて」



『.......ぁ、』


「！？........ぇ、A？」

「待て、人を呼んでくる」



『......お、はよ....？』




うっすらと瞳を開くと、目の前には焦ったような顔の炭治郎

部屋の扉の方からは、蛇柱の叫ぶ声も聞こえる



.......生きてる？

今度こそ死んだかと思った、けど


少なくたも首は繋がっている。目も見えるし、声も出る


なんで？頚を切ってと頼んだのに.....

それに、私は鬼になっていないのか？時間がかかっただけで、鬼の血も解毒できたのか？



わからない、だけど今は



『ぎ、義勇さ、に......会いた、い...』


「！うん、義勇さんのこと、今伊黒さんが呼んでくれてるから！！

　 ......良かった、良かったよ本当に、目が覚めて」




目に涙を溜めて私の手を握る炭治郎


.......ごめんね、心配かけて

安心させてあげたいんだけど、本当にごめん



今、私.......義勇さんに抱き付いて泣きたい

唯一わかってくれる家族に聞いてもらいたい



あの日何があったのか、なぜ血鬼術を喰らったのか




「........A？」




部屋の入り口に人の気配を感じてすこしだけ顔を動かすと、そこには泣きそうな顔をした義勇さん


後ろには、蛇柱や善逸たちもいる





『ぎ、ゆうさ』

「良かった！！」




駆け寄ってきた義勇さんに優しく抱き締められて、私も義勇さんの体に腕を回す

安心する、優しい匂い



『ｯ.....あ、いたかったぁ.....は、花華ちゃんが、鬼になってて

　 わた、し....それで、頚をきっ、切って』


「嗚呼」


『た、助けてあげられ、なかった.....私が、殺し、た

　 ごめ、なさ.....うぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！私、の！私のせいで！』


「大丈夫だ、大丈夫......お前のせいではない。よく、生きて.....」






涙が止まらなかった

義勇さんもずっと頷きながら抱き締めてくれて


後から来た鱗滝さんも、炭治郎や義勇さんごと大きな温かな手で包み込んでくれて


安心感に包まれ、私は泣き続けた

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