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202話 仲間か、使命か(伊黒side) ページ35

「.........冨岡めの妹か」




小さな子供ようの着物を抱き締めて、虚ろな瞳で地面に伏した女が一人

宇随が任務に当たっていた遊郭のとある道で見つけた



黒と赤の二色になっている特徴的な髪色

そして、目を見張るほど整った顔立ちに、見覚えのある羽織



......冨岡めの妹が倒れているのは何故だ

抱き締めている着物はなんだ?まだ鬼の気配があるというのに、この女は何をやっている




「我が主よ......聞こえるか.....」

「おい、待て」




先程まで隣で飛んでいた鎹鴉の鷹は、冨岡めの妹の横に足をついた



俺がここに来たのは、数刻前


鷹が御館様の屋敷へ飛び、遊郭で上弦の陸と戦いが始まった、と知らせたからだ

しかしついた頃には鷹の主、流星Aは倒れている



いったい空白の時間に何があった?

噂ではかなりの実力を持っていると聞いていたが、噂はただの噂だったのか




「おい、流星A。何があった?貴様が戦った鬼は上弦の陸ではなかろう

  そもそも何故地に伏している、その着物はなんだ、答えろ」


『...........て』

「なんだ?」




掠れて限りなく聞き取りづらかったが、確かに聞いた

いや、″聞いてしまった″




『私の頚を、斬って......くだ、さい』

「....は?」



聞き間違いかと思った

血鬼術の類いで錯乱させられているのだろう、きっとそうだ



しかし、流星の口調は瞳とは裏腹にしっかりとしていた




『鬼の、攻撃で....血を受けたんです。無惨の、血を

  わ、私きっと禰豆子ちゃんのようにはなれない。く、頚を斬ってください、早く』


「鬼舞辻無惨?それはどういうことだ」




答える言葉を発する代わりに、流星は静かに泣いていた

次第に意識も遠退いていくようで、ただ何かを志願するように俺を見つめ続ける



.......俺に、どうしろと言うのだ



流星Aは今この瞬間、鬼殺隊の仲間であり、柱である冨岡の唯一の家族だ

胡蝶や竈門炭治郎を初めとし、交友関係も広く


煉獄は、流星Aを庇って命を落とした




「俺は、お前の首を.......?流星!」




見ると流星は目を閉じ、手は地面に下がっている


気付くと、俺は流星を抱えて蝶屋敷へと走っていた





ーーーーーーーーーー
Aが「頚」で、伊黒さんは「首」と言っているのは、認識の違いです


Aは自分を人を喰らう鬼になる、と考えているので鬼の「頚」

伊黒さんはAを鬼殺隊の仲間、と思っているので「首」と言っています

203話 意識不明(noside)→←201話 鬼の涙



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セブンス・エイカン(プロフ) - リィさん» ホントですね!すみません、今直しました!ご指摘ありがとうございます!! (2021年10月18日 16時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - 誤字報告:174話 理由の最後の行なんですけど、恋雪が小雪になってます (2021年10月2日 18時) (レス) @page3 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 勿忘草さん» はい、そうです!細かい部分まで気にしていただけるとは......ありがとうございます、本当に嬉しいです!そして、説明が足りず申し訳ない..... (2020年7月26日 21時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - シャルの携帯する他人の運命(ブラックボイス)をどう鬼滅に入れるかと思ったら携帯運命になってる...なんて読むんですか?そのままブラックボイスですか? (2020年7月26日 15時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ありがとうございますッ!!!でもちょっと才能はあんまりないかも。これからもよろしくお願いいたします!! (2020年2月8日 19時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セブンス・エイカン x他1人 | 作成日時:2020年2月2日 22時

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