192話 行方不明 ページ24
「だーかーら!俺んとこに鬼がいんだよ!こういう奴がいるんだってこう言うのが!!」
ぐわっと両手を広げて見せる伊之助だが、そのジェスチャーの意味は無に等しいだろう
現在、各々が掴んだ鬼の情報を交換しているのだが......どうやら伊之助には期待できそうにない
まあ、鬼のような気配を感じたことがわかっただけでも収穫あり、かな....
炭治郎も説明は上手くないし
うーん、善逸や音柱に期待した方が賢明かもな
『私は鬼の気配はほとんど掴めなかった。薄くなら感じるけど....決定的じゃない
これは完璧に私の憶測なのだけど、ここには十二鬼月、しかも上弦がいるかも』
「!.....そうなのか?」
『わからない。杞憂だと良いけど、本当に上弦がいるなら気を付けないと』
そう言うと、炭治郎も伊之助も複雑そうな表情を浮かべる
.....そりゃあそうだろう、私たちはまだ下弦の鬼にしか勝ったことがない
唯一遭遇した上弦の鬼は______圧倒的な力の差を見せつけられただけだった
本当に、杞憂であれば良いのに
しかし、そう思えば思うほど現実になりそうで怖いものだ
「ま、まあとにかく、善逸と宇随さんが来るのを待とう!」
炭治郎が空気を変えようと無理に明るい声を出した、そのとき
微かに空気の動きを感じて
次の瞬間には、私たちがいる屋根の上に音柱も到着していた
『音柱様、善逸を見ませんでした....』
「善逸は来ない」
『!』
できるだけ落ち着いた声で言ったつもりなのだろうが
その声には明らかに焦りがにじみ出ていた
善逸が来ない.....?
なぜ、そんなことに.....
「善逸は来ないってどういうことですか?」
炭治郎が私の気持ちを代弁するかのように聞いたが、音柱はそれに答えなかった
「お前たちには悪いことをしたと思ってる」
激しい後悔と、自分を責める瞳.....
音柱がここまで変わるほどの何かが、数日の間に起こった
それだけは間違いないのだろう
「俺は嫁を助けたいがためにいくつもの判断を間違えた
善逸は今行方不明だ。昨夜から連絡が途絶えている」
それを聞いたとき、″やっぱり″と″どうして″の二つの感情が頭をよぎる
善逸は、おそらく鬼に捕まった
それは何故か?鬼の正体に近づいたからだ
「お前たちは花街から出ろ、階級が低すぎる。ここの鬼が上弦だった場合.....」
『善逸なら大丈夫でしょう』
そう言うと、音柱は驚いたように勢いよく顔を上げた
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セブンス・エイカン(プロフ) - リィさん» ホントですね!すみません、今直しました!ご指摘ありがとうございます!! (2021年10月18日 16時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - 誤字報告:174話 理由の最後の行なんですけど、恋雪が小雪になってます (2021年10月2日 18時) (レス) @page3 id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - 勿忘草さん» はい、そうです!細かい部分まで気にしていただけるとは......ありがとうございます、本当に嬉しいです!そして、説明が足りず申し訳ない..... (2020年7月26日 21時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - シャルの携帯する他人の運命(ブラックボイス)をどう鬼滅に入れるかと思ったら携帯運命になってる...なんて読むんですか?そのままブラックボイスですか? (2020年7月26日 15時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
セブンス・エイカン(プロフ) - ありがとうございますッ!!!でもちょっと才能はあんまりないかも。これからもよろしくお願いいたします!! (2020年2月8日 19時) (レス) id: b773bec88c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セブンス・エイカン x他1人 | 作成日時:2020年2月2日 22時