【鬼滅の刃】偶然、または必然か・伍【ハンターハンター】

191話　須磨 ページ23

「須磨花魁....？どうしてそんなことを聞くの、流れちゃん」



鯉夏花魁が、たった今須磨さんについて聞いた私を警戒するように訊ねる



音柱に無理はするなと言われたが、当分それはできそうにない

傷つき自信を持って歩むできなくなったとき、時間は何も解決してくれないからだ


傷がいつか癒えるまで、私はただ忙しなく動き続ける

そして、今私にできることと言えば須磨さんについて情報を集めることだけだった



『須磨花魁は、私の.....私の姉でした。姉がどうなったのかを知りたいんです

　 不確かでも良いです、姉について知っていることを教えてもらえませんか』




本来の仕事であった荷物を抱えたまま、深く頭を下げる


.........どうだろう。これでダメなら、他の花魁を当たるしかない

でも、あまり多くの人に聞いて回るのもよくないだろう


なぜなら、吉原のどこかに潜む鬼に噂が届くかもしれないからだ


一か八かの賭けではあったが、鯉夏花魁が口を開く気配を感じて、そっと胸を撫で下ろした




「.....そう、炭ちゃんと流れちゃんも姉妹なのよね。二人とも姉さんに続いて売られたの？」

『はい、姉とは手紙のやり取りをしていたのですが、姉はとても足抜けする人だとは思えません』



鯉夏花魁は、先ほどまでの表情のはうって変わって

悲しそうに眉を下げて私を見ていた。鯉夏花魁はとても優しい人だ




「ええ、確かに私も須磨ちゃんが足抜けするとは思えなかった。しっかりした良い子だったもの

　 だけど日記が見つかっていて.....それには足抜けすると書いてあったらしいの」



足抜けしたと考えられる理由は、本人が書いたのかもわからない日記だけ

身近にいた花魁から見ても足抜けする素振りはなかった



「捕まったという話は聞かないから、逃げ切れたのだと思うのだけれど.....」




足抜け......やはりこれは、確かめるまでもなく鬼の仕業だ

都合の良い話である。遊女がいなくなっても、周りは遊郭から逃げ出しただけだと思うだけだ


日記は偽物、それもかなり入念に考え込まれた物

そして、これだけ探られても尻尾を出さないという気配を隠すのに長けた能力



まさか、まさかこの吉原に潜む鬼は........






『十二鬼月......それも、上弦

　 七頑丸、音柱様に手紙を届けてちょうだい。それから、御館様にも』




私は、自室の窓から手紙を持った鷹を飛ばした

″大きな殺り合いになる″、そして″多くの人が死ぬ″と書いた手紙だった

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