【鬼滅の刃】偶然、または必然か・伍【ハンターハンター】

189話　宇随天元という男 ページ21

鏡に映った自分を見て、思わず本当に自分かを確かめたくなってしまう



「まぁ〜、本当に可愛い顔してるわねぇ流れちゃん！じゃあ、お部屋に行って座ってなさい！」

『はい....化粧ってすごいですね』

「なぁに言ってるのよ、元の貴方の顔が可愛いの！」



お化粧をされた後の私は、自分で言うのもなんだがなかなかの美女だと思う


やはり、今も昔も化粧の技術は素晴らしい......これなら、簡単に客を寄せ付けられる気がする

この化粧のやり方を覚えれば毎日できるようになるし、良いかもしれない


そんなことを考えながら、私は客と接するための部屋へ向かう

普段より更にきらびやかで美しい着物を崩さないように、気を付けて廊下を進まねばならない



『ふぅ.....歩くのも重労働だなぁ』



やっとのことで着いた部屋の畳に正座し、そっと一言呟いたそのとき



「なにが重労働だって？一丁前に遊女らしい格好してるじゃねえの、流星さんよぉ」

『！？......お、音柱様！ま、まだ早いですよ！呼ばれてから来てください！』




私の目の前にある襖が音もなく開き、そこから音柱・宇随天元が顔を出した


元忍なだけあってさすがの音を立てぬ動きだとは思うが、必要ないときは使わないでほしいものだ

気配も完璧に絶っているため、完全な不意打ちで心臓に悪い....


ため息を付きつつもとりあえず音柱を招き入れ、形だけの挨拶のため頭を下げた



『ようこそおいでくんなまし.....わっちはあなた様のお目にかかれて光栄でありんす』

「おー、なかなか良いじゃねえか」




ニヤニヤ笑いながら私の目の前に腰を下ろした音柱


その姿は、私たちを売るために潜入したとき同様

彼からしては地味で、第三者から見ればいつもより確実に格好いいと思う姿



......わざわざ変装してまで来たんだから、それなりの報告があるはずだけど.......

この人、本当に用事があってここに来たのか？

暇だったから来た、なんてことも最悪あり得そうな気もする



『さて、前置きはこれくらいにしましょうか。今日はどういったご用で？

　 ここに来たからには、何かしら報告があるんでしょうね？』

「いや、ないけど」

『..............はぁ』

「んだよそのため息はよぉ」




深いため息を目の前で付かれたにも関わらず、相変わらず笑う音柱


少々ムカつくがおそらくこれが宇随天元という男なのだろう、とボンヤリ考えながら思った

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