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「んん、美味しい!俺これ毎日食べれる!」
「初めてかれー、ってやつ見たけど、美味しいっ、止まんない!」
「そうねー、ほらそんなに急いで食べなくてもお代わりあるから二人共ゆっくり食べなよ」
「だってっ、んん、美味しくて止まんないんだもん!」
カレーを初めて見るし食べる二人は、匂いは美味しそうだけど茶色いその見た目に驚愕していた。けれど私が食べ進めるのを見て恐る恐る一口食べ、そして目を見開くと美味しいと言いながら勢いよく食べ進めた。
なんて可愛い生き物なんだ。この可愛さは最早天使。まあ、神様なんだけど。
そんなに気に入ってくれるなんて思わなかったけど、私が好きな食べ物や飲み物なんかを彼らは好む傾向がある。もしかして顕現する審神者によって味覚なども似てくるのだろうか。それとも沖田総司に似ているのか。
「今日は疲れたでしょ。戦果報告も聞いたことだし、お風呂に入って早く寝なよ」
「ねえねえ、お風呂上がったら主に爪塗ってほしい!」
「それなら僕は髪の毛乾かしてほしい!」
「は!?ずーるーいー!ねえ俺も!」
「お前は爪塗ってもらうんだろ?二つもやってもらおうなんてそっちが狡い!」
私の意見を聞かずにまた始まってしまった言い争いを聞き流して食器を洗う。
賑やかなのはいい事だけど、どうしてこんなにも喧嘩をするのか。ほかの本丸のこの子達はどんな感じなのか一度視察に行ってみたいものだ。
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お風呂から上がった後も二人がずっと煩いので要望通り安定の髪の毛を乾かし、清光には爪紅を塗ってあげた。「俺の髪の毛も乾かして!」と清光が駄々をこねたけど甘やかしてはダメだと思い自分で乾かさせた。
「おやすみ二人共」
「おやすみ主〜!ついでに安定も」
「おやすみ主!ブスもおやすみ」
「は、うざいんだけど」
「なに、誰もお前がブスとは言ってないし」
「じゃあ誰に言ったわけ?主と俺しかいないのに…」
二人が私を挟んで喧嘩をすることによって、その声が頭の中に響き渡り鼓膜を貫く。耳が若干痛い。
「もー、寝る前に喧嘩はやめて。これ以上喧嘩するなら出ていくよ」
「駄目!」
「駄目!」
「なら黙って寝る。おやすみ」
「…おやすみ」
「…おやすみなさい」
清光は久しぶりの、安定は初めての出陣で流石に疲れていたのかすぐに規則正しい寝息が聞こえてきた。二人の寝息を子守唄に私も眠ろう。
いい夢が見れますように。
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作者名:べべ | 作成日時:2020年11月18日 14時