リンゴはまことしやかに嘘を囁く4 (ページ46)

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シヨン様が言っていたことが頭を過ぎる。

“チャヒ様の伴侶は第2皇子様”＿＿

いくら私とテヒョンさんの間に恋愛感情が無くても、

テヒョンさんに妃が何人いても、

私はきっとこの想いを持ってはいけない。

結ばれない、

成し得ない恋ほど長く絡んで解けなくなる恋はない。

ふと【Unacceptable edge】を思い出した。

結ばれず死んだ2人はあの題名の通り、

許されない縁をもってした関係だったから死んだのだろうか。

私はもう、思い出を作りすぎた。

今この気持ちに気付いたのは、

きっとこの恋を諦める時間を神様がくれたからだ。

私は少し欲張りになったのかもしれない。

毎日が忙しくて何も無かった私が、

ここで心に寄り添ってくれる人がいたことで、

そこから抜け出せなくなってしまった。

まだ何も始まっていない。

いや、始めてはいけない…

「チャヒ、僕ならずっとチャヒのそばにいるよ。

兄上みたいに沢山の妃を持ったりしない。

好きなんだ…チャヒが。」