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元々あった本棚に辿り着けば、
この本を借りた時のことを思い出した。
確かこれはグクに本棚から取ってもらった。
つまり、私の手には届かない所に置いてあったということだ。
忘れていた…
頑張って背伸びをするけど微妙に届かない。
ジャンプをしてみても不安定で届かない。
精一杯背伸びをして手を伸ばした時、
背後(うしろ)から私の本を持つ手に手が重ねられて
本が元あった場所に戻された。
背後から香るこの香りだけで私はもう
グクだとわかる程になっていた。
添えられた手はしっかりと、
でも優しく私の手を握っていて、
背中にはグクの
ドクドクドクという心臓の音が伝わってきて、
私のドクドクと煩い心臓と重なった。
もうきっと逃げられない。
この気持ちが何かだなんて私でも分かった。
私はグクが好きなんだ。
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作者名：キムチヂミ | 作者ホームページ：https://twitter.com/kimuchi_chizini?s=21
作成日時：2020年11月23日 14時
