すぐる。なな ページ9
＿夏油視点＿
私には幼馴染がいる。それはそれはとても可愛くてとても愛おしい。私は彼女を愛しているし彼女も私を愛している。恋人なんて生ぬるい関係なんかでは言い表せない。私が生きていく上で彼女は必要不可欠。他の女はいらない。彼女さえいればいい。私の愛おしい愛おしい刹那…………。彼女と離れたくなくて高専に一か八か誘ってみたけど、やはりそうして正解だったみたいだ。彼女は頭を縦に振ってくれた。ああやっぱり私は彼女なしでは生きていけないみたいだ。片時も離れたくない。
＿＿＿＿＿イカれている？今更だろう。なんせ呪術師だからね＿＿＿＿。
＿＿＿＿そうして数ヶ月。
刹那はみるみる周りと親しくなっていった。環境に馴染めたことは嬉しいことだが少し悟と仲良くなりすぎじゃないか…？とは思うぐらいに嫉妬している。(自覚済み)
あれほど可愛くて優しい刹那の事だから、悟も好きになってしまう可能性はないとは言いきれない。きっとそれでも刹那は私を選んでくれるだろうけれどね。刹那は私がいないと生きていけないし私も刹那がいないと生きていけないからね。(共依存こy)
そんなある日、悟に急に言われた言葉に私は言葉を失った。
＿＿アイツ、なんか"憑いてる"ぞ＿＿
憑いてる…だって？
「………どういうことだい、悟」
五「あ？そのまんまの意味だけど。アイツ、パンピーなはずだろ？でも最近微かに呪力を感じるんだよな。んで最近アイツのこと見てたらちょこーっと呪力があったってわけ。最近アイツの身になんかあったりしたんかね〜」
「………でもそんな急に呪力は生成されるものなのか…？」
五「考えられることはふたつ。ひとつは元々"あった"。けどその力が弱すぎて今までは感じれなかった。それが今になって芽生えてきたケース。もうひとつは……あんまりあってほしくねぇけど、アイツに"特級過呪怨霊"が憑いてるってケース。」
「特級過呪怨霊…！？」
五「そ。…これはあくまでも"まだ"可能性だけどな。」
「刹那に特級過呪怨霊が憑いてる…？一体いつ…？」
五「その類は相当珍しいからたかが数ヶ月で憑くのはまずありえねぇよ。……アイツ、昔なんかあったか？例えば………親しい奴が死んだ、とか。」
「…………………親しい…………………」
五「…………いるんだな？」
「…………………………そうだね。1人だけ、ただ1人だけいる。」
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作者名：こし豚 | 作成日時：2021年5月3日 17時
