【d!】拝啓、親愛なる貴女へ【rbr】 (ページ6)

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それから数週間は入院していた。
両親も友達も来てくれて、とても嬉しかったのを覚えている。まぁ、みんなから口を揃えて怒られたのだが。
今は無事に入院し、今日、しばらくぶりの登校である。
震える手でガラガラと引き戸を開けた。目線が一斉に刺さる。
「あれ、あんたもう学校来ても大丈夫なの？」
心配そうに眉をひそめて問うてきたのは、私の友達だ。
大丈夫だと伝えると、「なんかあったら言いなよ」と言ってくれた。さすが、みんなのお母さん。
HRが始まるまでの間、久しぶりに女子会が開かれた。私と友達の2人だけの女子会。
みんなの甘酸っぱい話を話しているこの流れで彼氏について持ちかけてみた。面白くなりそうだ。
すると友達は、嘘でしょ？！と豆鉄砲を食らったような顔をしていた。ほら、やっぱり面白い。
「え、まじ？イケメン？身長は？」
マシンガンのように飛んでくる質問に、丁寧に答える私。
出会いなどは全く覚えていないため曖昧な答えしか出せないのだが、それでも友達は目をキラキラさせて質問を飛ばしてくる。あれ、こんなに恋バナ好きだったっけ。
「肝心なの聞いてなかった。名前は？」
質問攻めの末、2人揃って意気消沈した。嗚呼、顔が熱い。最後であろう質問に、顔を赤く染めて答えた。

''天乃呂戊太くん。ほら、同じクラスの。''

途端、彼女は笑い出した。

「天乃呂戊太？誰？それ。呂戊太なんて子、この学校にいないじゃない。」

Fin．