諦めません。２９. 〜過去編�供檻供� ページ34
桜夜side
叶「は、初めまして。宇都宮叶です」
これが、私と彼女の出会い。
桜夜《よろしくね》
そう書いたメモを見せると、叶は屈託なく笑う。
叶「よろしくお願いします、雛美さん」
あの日から二日後、マネ候補が見学にやってきた。
今日はとりあえず見学だけ。
マネ業は明日から、というのが及川さんの方針だ。
自己紹介はしたくてもできないので、
軽い挨拶を済ませてすぐに仕事に取りかかる。
外にある水道場で、スポドリを作っていく。
タオルはもう準備済みだから、
体育館に戻ったらそれをベンチに置かなければ。
他の仕事のことも考えながら終わらせて、
さっきより重くなったカゴを持って体育館へと帰還する。
スポドリを持った私を見て、
新主将が練習中の部員に休憩の声をかける。
その中には、引退した三年生もちらほらといる。
一と及川さんは、ほぼ毎日顔を出しているが。
本当に、他の三年生に比べてすごくストイックだ。
そんな姿勢に、憧れなくもない。
私ももっと、マネ業を頑張らなくてはいけない。
そんな決意を新たに、
スポドリとタオルを持って二人に近寄ると。
岩泉「ん、ありがとな」
及川「マネの仕事慣れてきたね」
二人にそれぞれ手渡してから、メモに返答を書く。
だいぶこれにも慣れてきた。
たまに手が痛くなってしまうけど。
桜夜《まだまだですよ。
部員達のスポドリの好みも把握しきれてませんし》
及川「それでも、
前ならこんな美味しいスポドリ飲めなかったよ」
基本的に皆雑だもん、と、
なんとも同意し難いことを言うのだから困る。
さすがにこれに同意して反感は買いたくない。
岩泉「そういえば、マネ候補のヤツは？」
辺りを見渡して、ベンチに座っている彼女を見つけた。
岩泉「仕事はできるのか？」
及川「大丈夫でしょ。
これから桜夜ちゃんが教えてあげればいいんだし」
うわぁ、本当に他人事みたいな物言いだ。
まぁ実際、及川さんにとっては他人事だけれども。
岩泉「あんまり桜夜に負担かけさせんなよ」
及川「むしろ桜夜ちゃんの負担減ると思うけど」
いいえ、負担です。
マネを育てるなんて到底無理です。
私には荷が重すぎです。
自分だけで手一杯なんですよ。
そこをお願いだから察してくださいよ。
岩泉「桜夜」
呼ばれて、一の方に顔を向ける。
岩泉「今、楽しいか？」
笑って頷くと、一は優しく頭を撫でてくれた。
岩泉「なら、よかったよ」
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聖華(プロフ) - ジュリさん» ジュリさん、コメントありがとうございます。とてつもなく遅い更新を早くできるよう、頑張ります。応援ありがとうございます。 (2017年9月16日 11時) (
レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 更新楽しみにしてます！ (2017年9月14日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
聖華(プロフ) - るーさん» るーさん、コメントをありがとうございます。今はまだ煮詰まってて更新がとっっってもスローペースですが、更新を待ってくれれば幸いです。応援ありがとうございます！ (2017年6月9日 16時) (レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
るー - とってもおもしろいです！主人公の気持ちの強さに感動しました。これからも更新など頑張って下さい！応援しています！！ (2017年6月9日 0時) (レス) id: 179cc2b81d (このIDを非表示/違反報告)
聖華(プロフ) - 花さん» 花さん、コメントありがとうございます。いやいや、私が書く拙い文章なんかに憧れないでください。（笑）ゆっくり、確実に更新していきますね。更新頑張ります！ (2017年5月29日 20時) (レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖華 | 作成日時：2017年4月27日 19時
