諦めません。１９. ページ24
桜夜side
西谷「おい月島！」
西谷くんの大きな声にそちらを向けば、
彼は月島くんの前に勢いよく持っているお盆を置いた。
お盆の上の食器とか壊れたらどうするんだろうか。
西谷「もっと食え。持たねぇぞ！」
月島「西谷さん、胃は大きいんですね」
馬鹿にしている表情で挑発する、月島くん。
私も何度かあれでからかわれたっけ。
西谷「なんだとぉ！」
二人の微笑ましいじゃれあいを耳にしながら、
部員達におかずを盛りつけたお皿を渡していく。
月島「ちょっと、やめてください！壊れます」
菅原「おーい、大地に怒られるぞー」
以前ならあの輪の中に、私がいた。
もう羨ましいなんて、そんなことは思わない。
赤葦「桜夜、おはよう」
桜夜「あっ、京治、おはよう」
お皿を差し出しながら、挨拶を返す。
けれど京治は私の反応を不安に思ったのか、
「どうかした？」、と首を傾げて聞いてくる。
私は首を横に振って、その質問を否定する。
桜夜「何もないよ。私もあとで梟谷の方に行くね」
赤葦「解った」
軽く言葉を交わして、
京治は木兎さんを連れて席に座りに行った。
京治はいつものように、
子供のような振る舞いをする木兎さんを宥める。
いつものその風景を見ていると、
食堂に各校の監督やコーチが入ってきた。
彼らもまた、部員達と同じように朝食を取る。
夜中監督が目の前に来た時、
私に向かって真剣な表情で言った。
時間が取れた、と。
その言葉を聞いて、
私の中でいくつもの言葉が組み立てられていく。
何から話そうか、どんな言葉を使おうか。
何が真実なのか、何が嘘なのか。
ふと、私は京治を見た。
私の精神的な支えとなった、京治。
とても頼りになる背中に、守られてきた。
一にも、若利にも、守られてきた。
もちろん青城メンバーだってそうだ。
私の言葉に耳を傾けて、私の言葉を尊重してくれた。
いつでも私の傍らには、私を大切にしてくれる人がいた。
それに気づかなかったのは、私が愚かだったから。
私自身が、自分の大切なものに気づいていなかったから。
もう何も諦めたくないし、もう何も失いたくない。
すべてを変えるのは、自分次第。
おもむろに厨房の外に出て、
皆を見渡すことのできる場所に立つ。
そうすれば、好奇の視線と憎悪の視線が私に飛ぶ。
桜夜「午前中、少しだけ私の話を聞いてください。
なのでできるだけ体育館内で固まっておいてください」
その中で私は、口を開いた。
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聖華(プロフ) - ジュリさん» ジュリさん、コメントありがとうございます。とてつもなく遅い更新を早くできるよう、頑張ります。応援ありがとうございます。 (2017年9月16日 11時) (
レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 更新楽しみにしてます！ (2017年9月14日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
聖華(プロフ) - るーさん» るーさん、コメントをありがとうございます。今はまだ煮詰まってて更新がとっっってもスローペースですが、更新を待ってくれれば幸いです。応援ありがとうございます！ (2017年6月9日 16時) (レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
るー - とってもおもしろいです！主人公の気持ちの強さに感動しました。これからも更新など頑張って下さい！応援しています！！ (2017年6月9日 0時) (レス) id: 179cc2b81d (このIDを非表示/違反報告)
聖華(プロフ) - 花さん» 花さん、コメントありがとうございます。いやいや、私が書く拙い文章なんかに憧れないでください。（笑）ゆっくり、確実に更新していきますね。更新頑張ります！ (2017年5月29日 20時) (レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖華 | 作成日時：2017年4月27日 19時
