諦めません。１３. ページ18
桜夜side
私の中には、確かな決意があった。
だけどさっきのことが、その決意を揺らがした。
けれどもう、揺らめくことはない。
彼らの言葉が、私の琴線に触れた。
それだけで、もう十分だった。
日向「実力行使………それ、脅しですか？」
桜夜「好きなように解釈してください」
あの、試合中に見せる異様な雰囲気。
周りを気にしない、集中力。
けれどそれに怯むほど、私は弱くない。
桜夜「もう、疲れました。貴方達の敵に重ねられるのは」
重ねてしまうのは、仕方がないけれど。
それでも今の私は、彼らとは初対面ということにしている。
だからこそ、私はこんなに強く出られるのだろうか。
桜夜「貴方達から向けられる視線は、
私にとっては嫌なものでしかありませんでした。
敵ではないのに、敵だとみなされたあの視線は」
月島「敵じゃない証拠なんてどこにも、」
桜夜「どこにもない？私は貴方達のことを知らなかった
………それだけの事実でも貴方達は満足しないんですか」
さすがの月島くんも、言葉に詰まった。
そのタイミングで割り込んできた人物がいた。
黒尾「はい、そこまで！」
強い口調で言うものだから、思わず顔を向けてしまう。
黒尾「ここで言い合っても仕方ないだろ。
ほら、お前ら烏野は自分らの部屋に戻ってろ」
さすがに年長者の言葉は聞くべきと、
そう判断したのか渋々踵を返していった。
ただ、菅原さんと東峰さんだけは、そこに残っていた。
黒尾「なんか、言いたそうな顔だな」
菅原「君にじゃないけどね」
少しだけ顔を動かして、視線を私に固定する。
菅原「本当に、アイツじゃないのか？」
桜夜「誰のこと、ですか」
菅原「………雛美桜夜」
昔の名前を出されても、もう動揺なんてしない。
もう、いらない。
桜夜「知りません。誰ですか、その人は」
捨てられる。
いつでも、捨て去ることができる。
桜夜「同じ名前というだけで、
変な感情を持ち込まないでください」
菅原「………」
語気を強めて言えば、彼は少し怯んだような表情を見せた。
けれどすぐ、東峰さんを連れて去っていった。
やっとこの場には、私と京治、黒尾さんの三人になった。
それに安堵して、息を吐きだす。
赤葦「大丈夫？」
桜夜「うん。………ありがとう。助けに来てくれて」
赤葦「あの悲鳴が聞こえたからね。
また厄介なことになってるんじゃないかと思って」
黒尾「ま、無事で何よりだ」
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聖華(プロフ) - ジュリさん» ジュリさん、コメントありがとうございます。とてつもなく遅い更新を早くできるよう、頑張ります。応援ありがとうございます。 (2017年9月16日 11時) (
レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 更新楽しみにしてます！ (2017年9月14日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
聖華(プロフ) - るーさん» るーさん、コメントをありがとうございます。今はまだ煮詰まってて更新がとっっってもスローペースですが、更新を待ってくれれば幸いです。応援ありがとうございます！ (2017年6月9日 16時) (レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
るー - とってもおもしろいです！主人公の気持ちの強さに感動しました。これからも更新など頑張って下さい！応援しています！！ (2017年6月9日 0時) (レス) id: 179cc2b81d (このIDを非表示/違反報告)
聖華(プロフ) - 花さん» 花さん、コメントありがとうございます。いやいや、私が書く拙い文章なんかに憧れないでください。（笑）ゆっくり、確実に更新していきますね。更新頑張ります！ (2017年5月29日 20時) (レス) id: c07a3965b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖華 | 作成日時：2017年4月27日 19時
